第804回:日本医療福祉生活協同組合連合会第6回通常総会が開催され、会長挨拶を行いました

6月8日に、日本医療福祉生活協同組合連合会第6回通常総会が東京都内で開催され、冒頭の会長挨拶を行いました。

以下、大要です。

藤原会長会長挨拶です。さすがに緊張して顔がこわばっています(笑)

藤原会長
会長挨拶です。さすがに緊張して顔がこわばっています(笑)

4月14日、熊本県を中心とした巨大地震が発生しました。被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。全国の会員生協から寄せられた人的・物的支援に対し、この場をお借りしてお礼申し上げます。私たちは、日本生協連をはじめとする協同組合間協同と他団体との連携により、組合員・住民の健康不安に応える活動として、生協くまもとの店舗にて、4月末から健康相談会を毎週開催してまいりました。

私自身も相談会に医師として参加し、「地震以来、血圧が高くて心配だ」「相談に乗ってもらって良かった」「一人暮らしなので、夜は特に不安で眠れない」などの声をお聞きしました。先日、益城町にある生協くまもとの配送センターで行われた健康相談会では、肩こり、不眠、ストレス状態を訴える方が多く、甚大な被災、度重なる余震により緊張状態が続いていることが感じられました。健康づくりの活動、協同組合間の協同の大事さをあらためて認識すると同時に、医療福祉生協が地域に存在する意義に確信を深める機会となりました。

2015年度、私たちは、「医療福祉生協の地域包括ケア」をすすめる「3つのつくろうチャレンジ」にとりくみました。

また10万人の「健康チャレンジ」をはじめ、「すこしの塩分ですこやかな生活を」めざす「すこしお生活」の普及をはじめました。

3つの「つくろうチャレンジ」を契機に、「自分たちのまちは、自分たちでつくっていこう」と、組合員が意欲的に居場所づくりや健康づくりの活動を広げつつあります。2016年度は、このことをもっと旺盛にとりくみたいと考えています。

今や、子どもの約6人に1人が貧困世帯といわれています。昨日の総会方針学習会では「子どもの貧困」を多角的に学びました。本日の総会議案でも「居場所づくりで多世代協同を広げる」ことを提案しています。子どもが安心して過ごせる居場所をつくり、すべての世代が出会い、交流し、支えあうことのできる多世代協同のまちづくりを、購買生協を含む多くの団体や人々と連携しつつ、さらに広げてまいりたいと思います。

今、政治によっていのちとくらしが脅かされる事態が深刻さを増しています。先般沖縄で起きた米軍元海兵隊員による卑劣な犯行は、許しがたいものです。根本的な解決は、基地の撤去以外にありません。昨年9月、「平和安全法制関連法」が採択されました。これにより、自衛隊が海外で戦争に参加する事態が、いっそう現実味を帯びてきました。

各地からの代議員、医療福祉生協連の役職員、オブザーバーなど合わせて約200名の参加で開催されました。

各地からの代議員、医療福祉生協連の役職員、オブザーバーなど合わせて約200名の参加で開催されました。

医療福祉生協は「健康をつくる、平和をつくる、いのち輝く社会をつくる」を理念に掲げ、その実現にむけ事業と活動を行なっています。日本国憲法の恒久平和主義と立憲主義を守り活かす決意と行動が、私たち一人ひとりに求められています。ご参加の皆さんには、「学び、広げ、連帯する」立場で、世論を喚起する活動をいっそう強めていただくよう呼びかけます。

昨年成立した「医療保険制度改革関連法」に基づく施策が進行し、地域医療ビジョンの具体化、医療機能の再編に向けた動きが加速しています。患者・利用者のいのちと健康、地域医療・福祉を守る立場から、「医療福祉生協の2020年ビジョン」実現に向け、事業基盤の強化をすすめてまいります。

最後になりますが、被災5年を迎えた東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故で被災された医療福祉生協の仲間に、一層の連帯を申し上げます。熊本地震によって東北が忘れ去られることのないよう、私たちは継続的な支援に力を尽くします。

医療・介護・福祉の包括的な提供と、組合員の自主的なくらし助け合いの活動によって、くらしを支える役割を一層果たしてまいる決意を申し上げ、開会のごあいさつとします。