第795回:16診療報酬改定について(8)在宅医療について

在宅医療の分野は、ただでさえ複雑な診療報酬体系が一層複雑になった感がします。

患者や家族(患家)からの要請により行う「往診」と異なり、医師が計画的に家庭や施設に赴くのが「訪問診療」です。

この定期的に訪問を行い、24時間連絡がつく体制をとるのが、在宅療養支援病院や在宅療養支援診療所です。

診療所についていうと、在宅療養支援診療所は、強化型在宅療養支援診療所(単独型)、強化型在宅療養支援診療所(連携型)、強化型以外の在宅療養支援診療所にわかれ、これ以外に、在宅療養支援診療ではない診療所があり、それぞれ診療報酬に差があります。

さらに、一戸建ての家なら問題はないのですが、ケアハウスなどの施設や、有料老人ホーム、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)、マンションや団地などで、訪問診療を行った時の報酬が、在宅患者訪問診療料(同一建物居住者)と、在宅訪問診療料(同一建物居住者以外)でわかれます。

月に1回と、2回以上で在宅時医学総合管理料の額が異なり、さらに、単一建物診療患者数が1人、2~9人、10人以上で細かく分かれています。

そのため、自己負担額も大きく異なり、大変わかりにくくなっているのが実態です。