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地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2017年12月17日(第1764号)に掲載した、「調剤報酬の見直しについて」の後半部分です。一部修正しています。

(承前)

実際は薬剤師の数も少なく、地方には薬局も数少なかったため、「医薬分業」(薬の書府は医師が、調剤は薬剤師が行う)は大きくは広がりませんでした。

そのため、1974年は医薬分業元年と呼ばれ、医療機関が調剤薬局に対して発行する処方箋料を大幅に引き上げ、医薬分業は徐々に進んでいきました。92年にはさらに処方箋料を引き上げ、97年に厚生省(当時)が37のモデル国立病院に対して完全に医薬分業を進めることを指示し、医薬分業率は急速に進みました。03年には50%を超え、16年には70%を超えるようになりました。

もともと、医師の処方した薬を医師と薬剤師が相互にチェックしたり、他の医療機関の処方薬との重複や相互作用(薬の飲み合わせ)のチェックを行い、医療の安全性を高め、医療費の抑制につながると判断したためです。

しかし、院内処方と院外処方では、自己負担額は大きく異なります。高血圧や糖尿病などで28日分の内服薬が処方されたケース(注1)では、投薬に関する費用は、院内処方の場合1390円(3割負担で420円)に対して6080円(1820円)になります。16年に導入された「かかりつけ薬剤師・薬局」での調剤だと、さらに負担は増えます。

調剤医療費は04年に4兆円を超え、15年には8兆円近くまで増加してきました。また、欧米に比し新薬が高すぎる問題などもあり、今回薬価のあり方や調剤料が問題になってきました。

12月8日に開催された第377回中医協では、店舗数の多いチェーン薬局、門前薬局、敷地内薬局(注2)などを対象に引き下げが検討されています。

注1:「週刊東洋経済」17年11月11日号より引用

注2:門前薬局は大病院の周囲にある薬局や、医療機関のすぐ前や横にある薬局のこと。敷地内薬局は医療機関の敷地内にあるもので、従来は禁止されていましたが、規制が緩和され大病院などで導入されています。門内薬局とも呼ばれます。

注3:調剤薬局の報酬の仕組みは大変複雑で、取り扱う処方箋の1か月あたりの枚数、特定の医療機関からの処方箋が集中していないか、薬剤の納入価が何%決定しているかなどにより変わってきます。