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Monthly Archives: 8月 2017

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年6月18日号(第1746号)に掲載した、「18年の診療報酬・介護報酬の動向について(1)」の前半部分です。

「経済・財政再生計画」は、患者負担の増加、医療・介護提供体制の再編を進めるのが目的です。

「経済・財政再生アクション・プログラム2016年」(2016年12月21日 経済財政諮問会議)によれば、「社会保障分野では、医療・介護提供体制の適正化、インセンティブ改革、公的サービスの産業化、負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化等を引き続き行う。2016年末までに検討を行うこととされていた事項や高額薬剤の価格見直し等については、検討の結果に基づき着実に実施していく」としています。

つまり、本欄889回(5月30日付)で述べた通り、「(2017年予算で見送りになった)他の項目は2018年以降の実現をめざし、引き続き議論が行われるもので、決して中止になったのでは」ないということです。

その内容は

  • 「かかりつけ医」を普及することを名目にした、受診時定額負担の導入
  • 市販薬類似薬の保険外し
  • 75歳以上の患者負担を原則2割にする

です。

これ以外にも、これまでに議論されてきた内容として、

  • 地域医療構想や医療費適正化計画を使い、医療費の地域差半減をすすめる
  • 都道府県単位の診療報酬の設定を検討する
  • 民間病院の病床削減を命令できるよう、都道府県の権限強化(現行は、手上げ方式で民間病院が自ら選ぶことになっている)
  • 保険医の配置・定数の設定など国や都道府県の権限強化

などが、あげられます。

(次号に続く)

2017年7月7日、122か国・地域の賛成多数により「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約」(核兵器禁止条約)が国連で採択されました。史上初めて核兵器に「悪の烙印」が押されることになりました。

条約は以下のように指摘しています。

「核兵器の使用によって引き起こされる破局的な人道上の結末を深く懸念し、そのような兵器全廃の重大な必要性を認識、全廃こそがいかなる状況においても核兵器が二度と使われないことを保証する唯一の方法である」

長崎平和宣言は、以下のように述べています。

「核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているにも関わらず、核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません。唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを進めてください。日本の参加を国際社会は待っています」

核兵器が悪であることを世界の世論とするための運動を広めていきたいと思います。

香川県保険医協会報の「社保のページ」に、診療報酬に係る内容を連載しています。2017年5月号に掲載した内容です。

2018年4月に、医療報酬・介護報酬の同時改定が行われます。中医協(中央社会保険医療協議会)での議論を紹介していくことにします。

まず、外来です。

外来レセプト一枚当たりの受診日数は減少傾向ですが、主な傷病別の推計外来患者数では、高血圧性疾患、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病が多く、10年前と比較して若干増加しています。

65歳~84歳では、高齢になるほど平均傷病数および外来受診率(在宅を含む)は増加し、複数の医療機関を受診した患者の割合も多い傾向にあります。高齢になるほど、一件当たりの薬剤種類数や薬剤点数が高い患者の割合は増加しています。

16年の診療報酬改定では、小児かかりつけ医や認知症の主治医機能の評価、また、向精神薬の適切な処方の推進等の評価を行い、外来医療のニーズの変化や多様性も踏まえた適切な外来医療が提供できるような評価、新たなサービス提供のあり方等について検討が行われています。

糖尿病と高血圧など複数疾患を持つハイリスク者に対する指導では、医療機関との連携が必要で、生活習慣病の重症化予防と医学管理では、診療ガイドラインに基づき、個別に治療内容を調整するとともに、コントロールが不良な患者については、専門医療機関と連携して、治療方針の変更等を行うこととされています。

主治医機能の評価、医療連携の在り方などが重視されているようです。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年5月21日号(第1743号)に掲載した、「経済・財政再生計画」にみる患者利用者負担増(3)、の後半を再掲します。

(承前)

3割負担になるのは、昨年2割負担に引き上げられた45万人のうち一定の所得のある12万人が2018年8月より対象となります。2015年8月に2割負担に引き上げられ、負担に耐えられず、特別養護老人ホームを退所したり、サービス利用を控えたりする事態が続出しています。こうした実態や「介護離職」「介護難民」が社会問題化する中で、「制度の持続可能性」を追求するために、さらに利用者や家族に一層の負担を迫るのは本末転倒な施策です。

また、全市町村が介護の「自立支援・重度化防止」にとりくむことを制度化し、介護費用を抑制した市町村に対しては国の財政支援を手厚くすることは、介護保険からの無理な「卒業」や「門前払い」を加速させ、当時者や家族の負担増につながる懸念があります。

さらに、「地域共生社会」の名の下、高齢者、障害者(児)などへの施策をひとくくりにして行う「我が事・丸ごと」地域共生の社会づくりでは、社会福祉法に「福祉サービスを必要とする人たちが孤立しないよう、地域住民が支援する」条文を新設しました。地域住民に対して「自助・互助」の役割を求めており、国と地方自治体の公的責任の後退は明らかです。

地域福祉・地域医療のありかたを大きく変える法案を当事者の声や地方自治体、国民の意見を聞く機会も設けないまま、わずかな審議時間で強行採決したことは許されません。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年5月21日号(第1743号)に掲載した、「経済・財政再生計画」にみる患者利用者負担増(3)、の前半を再掲します。

第904回(7月21日付)まで、15年12月の経済財政諮問会議で決定された「経済・財政再生計画 改革工程表」に基づく、17年度予算について医療分野を中心に触れました。

今回は、介護分野を中心にした内容ですが、18年以降に関連したものです。

18年からの介護保険改定に関連する法案は、「地域包括ケアシステム強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」(以下、介護保険「改正」法案)です。この法律は、介護保険法だけでなく、健康保険法、児童福祉法、医療法、社会福祉法、老人福祉法、高齢者の医療の確保に関する法律、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律など31もの法律を一括して「改正」するものです。

さらに、法案の最後には「その他所要の改正を行うこと」と書いており、細かい点は政令等で定められることになっています。そのため、詳細な内容は明らかになっておらず、十分な審議時間を必要とする法律です。

4月12日の衆議院の厚生労働委員会で、民進党議員が「森友学園問題」を取り上げたため、「この重要な介護の法案と全く関係のない話をされたということが、十分な質疑が行われたことの証拠ではないか」(田村憲久前厚労相)として、採決を強行しました。与野党はもともと、4月14日まで議論を続ける日程を協議していた訳ですから、わずか20時間の審議での強行採決は許されません。

さらに、本会議ではわずか2時間の審議で、政府与党は、4月18日の衆議院本会議で介護保険「改正」法案の採決を強行しました。
介護保険「改正」法案は、

①一定所得のある人の自己負担割合を3割に引き上げる

②保険料の「総報酬割」の導入

③「我が事・丸ごと」地域共生の社会づくりに向け、高齢者、障害者(児)などの施策に対する公的責任を後退させる仕組みづくりを狙ったものです。

(次回に続く)