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香川医療生活協同組合

医療保険制度改革法案について

(第706回 2月27日 )

 「医療保険制度改革法案」に関して、2015年2月20日発行(No.368)の保険医協会報「主張」に掲載した文章を再掲します。一部修正しています。

 厚生労働省は、1月26日召集の通常国会に、「『自然増』も含めて聖域なく見直し、徹底的に効率化・適正化していく」という「骨太方針2014」に沿った、給付減・負担増計画の医療保険制度改革法案を提出しました。

 まず、「負担の公平化」の名の下に負担増を求めるものでは、以下のものがあります。

 ①入院と在宅療養の負担の公平化の名目で、入院時食事療養費を食材費相当額に調理費相当額を加え、16年度から1食360円、18年度から1食460円に引き上げ、1ヵ月入院すると4万円を超えることになります。

 ②外来の機能分化を進める観点から、16年度からは紹介状なしで特定機能病院及び大病院(注)を受診する場合等には、保険診療とは別に、5000円~1万円の負担が必要になります。

 ③後期高齢者の保険料軽減特例について、段階的に縮小します。これは、後期高齢者保険が個人加入のため、74歳まで子供等の扶養家族になっていた方が保険料を支払うようになった場合等に対する特例措置でしたが、今年度は865万人が対象となっており、介護保険料引き上げとともに低所得者とって大変な負担になります。

 「患者申出療養(仮称)」制度を創設、未承認薬等の使用を患者の申出により保険外併用療養とするもので、医療の安全性に対する国の責任を放棄、問題が起きた時には患者の自己責任とするものです。また、事実上の混合診療となる訳で、絶対に認めるわけにはいきません。

 2018年度から国民健康保険の運営を市町村単位から都道府県単位に変更します。これまでのように保険料を軽減するために一般財源を投入することができなくなり、保険料が大幅アップすると思われます。

 医療費の適正計画の見直しで、医療費の水準や入院ベッドが都道府県の裁量の下にコントロールされます。また、特定健診・保健指導実施率、平均在院日数等の見直しや後発医薬品の使用割合も都道府県が定めるようになります。

 保険料や自己負担増に道をひらく、制度改悪には反対です。

 注:「紹介状なしの大病院受診者に対する定額負担(最大1万円)は、当初500病床以上とした基準は削除。対象病院の拡大をねらって」(しんぶん赤旗 2/23付)いるのではないかと言われています。


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