高血圧の診断や治療の基準となる「高血圧治療ガイドライン2014」が高血圧学会から発表されました。
高血圧と診断する基準は140/90以上で変わりありませんが、健診や医療機関で測定した血圧が140/90以上の場合、すぐ高血圧と診断するのではなく、家庭血圧を測定し、135/85以上なら高血圧と確定診断するというものです。また、正常血圧は130/85未満です。
しかし、ほぼ同時期に人間ドック学会が「新たな健診の基本検査の基準範囲」を公表し、その中で、血圧については、収縮期が147以下、拡張期が94以下でも「健康」と判断することになりました。
血圧値が145/92ならガイドラインでは家庭血圧の測定を行ったうえで判断しますが、健診では「異常なし」と判定されます。
マスコミでも人間ドック時の高血圧の診断基準が変更されたと取り上げられたため、少し混乱している向きもあります。
健診や診察時には緊張することが多く、血圧はたいてい高めに出ます。そのため、一度の血圧値で診断するのではなく、家庭血圧を測定する必要があります。
診察室での血圧が高く、家庭血圧が正常の場合は「白衣高血圧」と呼ばれます。逆に診察室血圧が140/90未満でも家庭血圧が135/85以上の場合は「仮面高血圧」と呼び、早朝高血圧、夜間高血圧、ストレスとの関連が深い昼間高血圧が含まれています。
家庭血圧を測定する場合は、肘で図るタイプのものが正確です。自分の健康は自分で守る必要があります。家庭血圧の測定を習慣づけましょう。