(第654回 6月13日 )
第651回(6月3日付)で、宮城県内の医療福祉生協を訪問の報告を行いました。
今回は、山元町の報告です。宮城県亘理郡山元町(わたりぐん・やまもとちょう)は、宮城県の東南端に位置する町で、いちごの栽培で有名な場所です。
東日本大震災の津波により、人的にも大きな被害を被りました。今回の被災があまりに広範囲だったために、支援の手が届かなかった地域も多数ありました。尼崎医療生協の取り組みから始まり、日本医療福祉生協連・近畿ブロックの取り組みとなり、香川医療生協も合流、その後、香川医療生協は計7次の支援活動を行ってきた場所です。
7時30分に仙台駅近くのホテルを出発、山元町に向かいました。がれきは殆ど整理され、ごく一部ですが田植えも始まっています。しかし、大半は草が生えているだけの状態です。復興への歩みが始まったとも言えますが、復興はまだこれからというのが実態です。みやぎ県南医療生協の佐久間専務、児玉理事の説明を聞きながら、山元町災害公営住宅に向かいました。2世帯長屋が50戸、一戸建てが25戸で、すでにそれぞれ46世帯、17世帯が入居しています。
しかし、医療機関や商店など、町のインフラ整備はまだまだこれからです。交通機関の整備、子供が住めるように学校はどうするかなど、これまで人間関係のなかった人たちが新たなまちづくりをするわけで、「悩みを聞いてほしい」「足がない(交通の整備)」「健康を維持するための取りくみ」などさまざまな日常的な要望があると、区長の岩佐さんからお聞きしました。
人と人との関係を大事にするのが協同組合の役割だし、健康づくりの取り組みは医療福祉生協のいわば十八番(おはこ)ですから、支援の枠組みを考える上で重要な問題です。
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津波により水田に海水が入りました。
昨年試験栽培がおこなわれたようですが、本格的な稲の栽培の始まりです |
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田植えが始まったのはごく一部です。
復興はまだまだなのです |
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2世帯住宅です。
左が老夫婦(1階建)で、右が子育て世代(2階建)をイメージしているようです。
お互い話し合って入るケースもあれば、そうでない場合もあるようです。いずれにしても、新たなコミュニティづくりが求められます。 |
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1戸建ても建っています。
最終的には400世帯になる予定だそうです。
どうやってまちづくりを行っていくか、医療福祉生協の役割が期待されるところです |
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