(第640回 4月4日 )
4月1日から、多くの国民の反対の声を押し切り消費税増税が強行されました。
3月下旬に新聞折り込みで、政府広報が配布されました。「社会保障と税の一体改革」と題し、4月からの消費税率が8%になることを述べた後、「引上げ分は、すべて皆様の子育て、医療・介護、年金を充実・安定化するために使います」と書いています。しかしこれはウソです。「ウソ」という表現に問題があれば、「事実ではありません」と言い直しても構いません。
消費税はが5%から8%になり、単純計算では約5兆円の税収増になりますが、政府はこれを「すべて」社会保障の充実に津かい、「『社会保障と税の一体改革』は、社会保障制度を財政的にも仕組み的にも安定させることで、だれもが安心して利用できるようにするための改革です」と説明していますが、もしこれが本当なら、4月からさまざまな負担が軽減されるはずです。
医療費の定価を表す診療報酬はマイナス改定でした。本来医療を充実するためには診療報酬を大幅にアップし医療供給体制を充実しながら、患者負担を軽減する方策をとるべきですが、そうはなりませんでした。
70歳から74歳の高齢者の医療費負担を、現在の1割から2割に倍加しました。これには批判が殺到することが予想されますから、新たに70歳になるかたからが対象になります。3月まで3割負担だった方が、2割負担になるので、数値だけを見たら軽減に見えますが、本来なら1割で済む負担が2割に倍加するという事実は消えません。
40歳から64歳までの方の介護保険料が引き上げられます。平均値ですが、307円引き上げられ5,273円になり2000年度(2,075円)に比し2.5倍になります。
年金はどうでしょうか。支給額が0.7%減額されます。国民年金が満額支給されたとして月額475円減額されます。厚生年金(夫婦2人の標準世帯)は月額1,666円減額されます。国民年金保険料も20歳から59歳で月額210円増え、月15,250円になります。
子育てでは、児童扶養手当が0.3%減額になります。高校授業料の無償化に所得制限が導入されます。
医療・介護・年金・少子化対策が年金4分野です。どの分野を見ても「社会保障の充実」ではなく、「社会保障の切り捨て」なのです。「だれもが安心して利用できるようにするための改革」ではないというのが事実だと思います。
消費税増税を撤回し、10%への増税を行わないことを強く主張します。
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