12月6日深夜、「特定秘密の保護に関する法律案」(以下、秘密保護法)が参議院本会議で採択が強行されました。多くの団体・個人が反対や懸念を表明し、6日には廃案を求める大規模な集会が都内で開催され、1万5千人が参加しました。多くの反対の世論を押し切り採決強行を行った政府与党に対して、強く抗議するものです。
秘密保護法の最大の問題点は、日本国憲法の示す、主権在民の原則を踏みにじるものであるからです。
何が秘密であるのかは秘密であり、官僚や政治家の都合のいいように際限なく広げることが可能です。秘密の指定を監視する独立した機関も設けられません。
秘密を漏らした人、秘密を知ろうとした人だけなく、共謀した人、教唆(そそのかす)した人、扇動(あおりたてる)した人も処罰の対象とされます。裁判になっても「特定秘密」は明らかにされず、何により裁かれているのかもわかりません。
国民の目・耳・口をふさぎ、自由と民主主義が抑圧される"暗黒社会"の到来を予測させるものです。武器輸出の解禁や集団的自衛権行使問題を含め、憲法の平和主義に反する"戦争ができる国"を準備するものです。
秘密を取り扱う人たちとその家族はプライベートな情報も国に把握されますが、その情報には病歴などの医療情報も含まれます。医療・介護などの患者・利用者との信頼関係を損ね、医療・福祉従事者の良心に反する行為を強要する秘密保護法を、私たちは許すことはできません。
衆議院での採決強行時に私たちは、「特定秘密保護法案の衆議院での採決強行に抗議し、廃案を求めます」という声明を発表し、安倍首相などに送付しました。その声は聞き遂げられず、参議院でも同様に強行採決が繰り返されたことに怒りを込めて抗議します。
法律が成立したとはいえ、施行は公布の1年後です。第3者機関の設立など、法案の内容の具体化はこれからです。法施行を許さないとりくみ、自由や民主主義の侵害を許さないとりくみ、"暗黒社会"の到来を許さないとりくみを、多くの国民とともに行い、特定秘密保護法の廃止をめざして運動を進めるものです。