(第600回 9月27日 )
安倍首相の外遊が目立ちます。問題となる発言を含め、海外で様々な発言を行っています。外遊日程は、参院選後だけをとると以下の通りです。
・7月25日~27日:フィリピン、シンガポール、マレーシア
・8月24日~29日:バーレーン,クウェート,ジブチ、カタール
・9月4日~9日:ロシア(G20サミット)、アルゼンチン(IOC総会)
・9月23日~28日:カナダ、米国
外交を強化することを目的にした外遊に問題がある訳ではありません。しかし、いま日本が抱える問題や国際問題にどう対応するか、日本国民にメッセージを発することなく、海外で様々な発言を行っていることには疑問があります。
東京電力福島第1原発の汚染水漏えいの問題、消費税増税、環太平洋連携協定(TPP)交渉、シリア情勢など、首相としての考えを日本国民に披瀝することなく時間が過ぎていることに、苛立ちを覚えるのは私だけではないと思います。
例えば、東電の汚染水問題について、IOC総会で「私が安全を保証します。状況はコントロールされています」「汚染水は福島第一原発の0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている」「福島近海でのモニタリング数値は、最大でもWHO(世界保健機関)の飲料水の水質ガイドラインの500分の1だ」「健康に対する問題はない。今までも、現在も、これからもない」などと発言しました。この発言に根拠があるのなら、国会閉会中であっても、閉会中審査ができるのですから、そこで堂々と国民に向けて述べればよいのです。
24日になってやっと衆院経済産業委員会が27日と30日に福島第1原発の放射能汚染水問題についての閉会中審査が開催されることになりましたが、27日は広瀬社長ら東電関係者のみに対する参考人質疑、30日は茂木経産相ら政府側と田中俊一原子力規制委員長、東電副社長らに対する質疑を行う予定です。
しかし、本来なら臨時国会を開催し、汚染水問題の他、消費税増税、TPP交渉の報告など、国民がいま最も知りたい問題について審議を行うべきだと思います。
25日に、民主、みんな、共産、社民、生活の野党5党は憲法53条にもとづき、速やかな臨時国会召集を政府に求める要求書を山崎正昭参院議長に提出しました。憲法53条は、衆参いずれかの議員の4分の1以上の要求があれば内閣が国会の召集を決定しなければならないと規定していますが、この要求書は4分の1を超える92人の参院議員が賛同しています。
速やかに国会を開催し、国民にきちんと説明を行うべきだと思います。
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