(第575回 5月21日 )
5月13日午前、橋下大阪市長は、村山首相談話について質問され「敗戦の結果として侵略だ」と答えた後、「従軍慰安婦問題」を自ら取り上げ「慰安婦制度が必要なのは誰でもわかる」と答えました。同日午後に記者団に対して「普天間飛行場に行った時」「もっと風俗業を活用してほしい」と言ったと語りました。
15日には、大阪市の職員のわいせつ事案が増えたことについて、「(風俗業の利用を推奨することが議論の対象に)なりうると思う」「僕は子どもにもそういうことは言う」と答えました。
これらの発言は、女性の人権を無視しただけでなく、人権をまったく無視した許すことのできない発言です。日本だけでなく世界中から抗議の声が起きています。
単なる「暴言」ではなく、発言の撤回と謝罪を求めたいと思います。
日本医療福祉生協連の高橋会長理事の抗議声明を掲載します。
女性蔑視、歴史をゆがめる橋下徹大阪市長発言の
謝罪・撤回と公職からの辞任を求めます
2013年5月17日
日本医療福祉生活協同組合連合会
会長理事 高橋 泰行
橋下徹大阪市長が、太平洋戦争中の旧日本軍の慰安婦制度を「軍隊にとって必要だった」と肯定し、さらに性犯罪が絶えない沖縄米軍の司令官に風俗業の活用をすすめる発言を行ったことに、国民の驚きと怒りが広がっています。
橋下発言は、女性のみならず、すべての人を辱(はずかし)め、その尊厳を貶(おとし)めるもので、断じて許すことはできません。
橋下徹氏は、過去にも「強制連行はなかった」との認識を示していましたが、今回の「慰安婦制度は必要だった」、これからも「風俗業を活用してほしい」との発言は、戦争のためには女性を犠牲にするのは当たり前という認識を示すもので、市長という憲法遵守の義務を負っている公人としては絶対に許されない暴言です。
またこの発言は、政権幹部の靖国神社参拝、安倍首相の「村山談話見直し」「侵略否定」発言など、日本が行った侵略戦争に対する認識が問われる中で発せさられたもので、アジアを中心とする諸外国との友好関係にも重大な影響を及ぼしかねません。
私たち医療福祉生協は、戦争の悲惨な体験の反省から生まれた日本国憲法を尊重し、戦争に反対し平和と基本的人権の擁護を掲げて活動してきました。
今回の橋下徹氏の発言は、これらの活動を正面から否定し、歴史をゆがめ、世界の平和と友好を願うすべての人びとに挑戦するものです。
私たちは、橋下徹氏に発言の撤回と謝罪を求めるとともに公職からの辞任を要求します。
以 上
以下のHPを参照ください
※全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)の藤末会長の抗議談話
http://www.min-iren.gr.jp/seimei-kenkai/2013/data/130515_01.pdf
※全国保険医団体連合会(保団連)の板井女性部部長の抗議談話
http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/130515hasimoto.pdf
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