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国民皆保険制度を守るために、日本のTPP参加に は絶対に反対です(その3)

(第560回 3月5日 )

 3月2日の東京新聞は、ワシントン=共同発のニュースとして「米通商代表部(USTR)は1日、議会に通商に関する年次報告書を提出」し、TPP(環太平洋経済連携協定)について、「2013年に交渉を妥結させるよう努力する」と明記したと報じました。日本のTPP参加については「米国の関心事項である自動車や保険など重要分野の市場開放に、日本がどう取り組むかを注視する」と米国の立場を明らかにしました。

 「自動車や保険など重要分野の市場開放」とは、コメなどの関税とは異なる「非関税障壁」のことです。

 安倍首相は「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」という理由でTPP交渉に前のめりになっていますが、TPPの問題は「関税」だけでなく、法的な仕組みや保険などの「非関税障壁」が、米国のもう一つの狙いです。

 3月2日の産経新聞は、ワシントン=時事のニュースとして「TPP、年内妥結を明記 対日協議、自動車・保険に焦点―米通商報告」という記事を掲載し、「日本のTPP交渉参加問題について『日本がTPPの目指す高い基準を満たす準備ができているかという点が焦点だ』と指摘。日米協議では『日本が米国の関心事項である自動車や保険など重要分野の市場開放にどのように取り組むかを注視している』との姿勢を示した」と報じました。

 第558回(2月26日)付本欄で、日米共同宣言で明らかになったのは、

 ・この「宣言」が日米2国間の合意事項にすぎないこと
 ・TPP交渉に参加する場合は「全ての物品が交渉の対象にされる」と、あらかじめ例外となる品目がないことが明確であること
 ・2011年11月の『TPPの輪郭(アウトライン)』において示された包括的で高い水準の協定を達成していくこと

 だと指摘しました。

 2月27日の参院の論戦でも井上哲士参院議員(共産)の質問に対し、日米共同声明に、国民皆保険制度を守るなど非関税障壁に関する「項目が含まれているという情報はない」(片山慶一経済局長)と答弁。安倍首相は「外務省が答弁した通り」と認めました。医療保険制度などは、「例外なく」交渉の対象になるのです。これまでのTPP交渉で議題にならなかったのは、参加国に皆保険制度がなかったため「障壁」にならなかっただけのことです。

 TPPに参加をすれば、自国の食料は自国で生産するという、コメなどを始めとする日本の農業を守る課題だけではなく、医療保険制度など日本の法的制度が守られる保証は何一つありません。

 国民皆保険制度を守るためにも、TPP参加を認めることはできません。


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