(第554回 1月29日 )
1月22日(第552回)の続きです。
B787機の高松空港への緊急着陸は国際的にも反響を呼び、高松空港の映像が世界に流れました。18日に東京に行った時には、事情を知っている方から「ちゃんと帰れたの」と声をかけられました。
さて、当日はとにかく速やかに香川に帰るにはどうすればよいかを考えていましたが、夕方家にたどり着いた時に、これからどうなるのかが心配になってきました。
B787機は、JAL(日本航空)は国際線の運行なので日本国内の移動に影響はありませんが、ANA(全日空)は、中四国(特に瀬戸内)ではJRとの競合路線を中心に投入した経緯があり、香川県に住んでいる人間としては大きな影響を受けています。
2月のダイヤでみると、羽田―高松間は6便中3便、羽田―松山間は6便中2便がB787機です。徳島(4便)、高知(4便)はB787機ではありません。羽田―岡山間、羽田―山口宇部間はいずれも5便すべてがB787機で、広島は8便中1便、鳥取、米子、岩国はB787きではありません。
羽田→高松の最終便がB787機ですから、これが欠航になると翌日の高松→羽田の始発便が自動的に欠航になります。始発便で羽田に飛んで最終便で帰るという予定なら、代替機が就航すれば問題はありませんが、欠航になると行きも帰りもJAL便に変更するかJRで帰ることになり、手配が必要となります。
さて、ANA、JALとも事故がおきた16日(水)にはB787機の運航を見合わせることにしました。しかし、国土交通省は、翌日の17日(木)に、「(米国連邦航空局が)787型機の運行を禁止する内容の緊急耐空性改善命令を発行しました。これを受け国土交通省としても」運行を禁止する命令を出しました。
米国いいなりとはいいませんが、自国の空の安全はみずからが判断すべきだと思います。この背景には、航空機の安全審査に国としてどう取り組むかという姿勢の問題があります。日本の航空法では、航空機を飛行するために、設計・製造・完成後の現状の3段階にわたる証明検査をうけることが求められます。しかし、輸出国ですでに検査が終わっていれば、書類検査のみで納入することができます。
B787機を導入するに当たり、2008年に「航空安全基準アップデイトプログラム」による規制緩和を行い「安全性が担保される範囲内で、導入当初から円滑な機材運用を可能とする」としました。
空の安全を守るために、今一度見直しが求められていると思います。
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