(第534回 10月30日 )
香川県保険医協会報の「社保のページ」(社会保険のページ)に、「審査・指導」に関する文章を断続的に連載しています。
少し難しい内容ですが、転載します。一部修正しています。今回は、第6回(最終回)です。
第532回(10月19日付)で述べたとおり、監査とは、保険診療の内容や診療報酬の請求について「不正」や「著しい不当」が疑われる場合に行われます。
まず、監査に至ることのないように対応することが重要です。
日常的に診療内容を点検し、カルテ記載や診療報酬明細書の内容に留意します。定期的に点検を行えば、請求漏れや必要事項の記載漏れなどに気づき、正確な保険診療が可能になります。
また、「個別指導後に改善がない」場合も監査の対象になりますから、指導時の指摘事項にきちんと対応する、納得いかない指摘事項については行政に質問し納得した上で対応しておくことも重要です。
監査に至った場合は、「不正等が疑われている」ことを前提とした対応が必要です。場合によっては、保険医療機関の取消や保険医登録の取消処分もあり得ます。最近も関東地方の500床を超える公的病院が保険医療機関取消処分を受け、地域医療に大きな影響を与えている事例がありましたから、きちんとした対応が求められます。
2010年度の指導・監査の実態は別表の通りです。医療費通知や利用者からの情報により個別指導を受けていなくても監査になる場合もありますが、監査の件数は個別指導件数の7%(医科)、3.5%(歯科)です。指定取消処分は、個別指導件数にの0.6%(医科)、0.9%(歯科)です。
2010年度 |
医科 |
歯科 |
個別指導 |
1,399 |
1,341 |
監査 |
98 |
47 |
指定取消 |
8 |
12 |
※数値は医療機関の件数。指定取消には取消相当を含む。取消相当は、処分前に保険医療機関等を廃止しても公表される場合を指す。
|
|