(第527回 10月02日 )
9月18日付(第524回)の続きです。
フェクトの発言の大要は以下の通りです。
遠隔地医療として、欧州委員会(欧州連合の政策執行機関)が財政支援する第3世代ユーラシア横断情報ネットワーク(TEIN3:Trans-Eurasia Information Network)に参加している。TEIN3は、アジア太平洋地域を対象にした、研究者や教育機関をつなぐインターネットを利用したネットワークです。ネパールでは全土をWiFiでつなぎ、カンファレンスに使っている。
建設途上の医科大学については、4階建てで建物の外観は出来上がりつつあるが機材が不足している。ネパール政府から150万ドル相当の建設費の援助はあるが、備品や医療機器には使用できない。米国ユタ州のNGO(Globus Relief)から中古の機材などを送ってもらったが、まだ足りない。いずれにしても資金調達が不安定なことが問題である。
医科大学を建設し、十分な医療にアクセスできない地方の人々へ医療サービスを提供する仕組みを作りたい。地方に定住して保健活動や社会福祉活動ができる人や、地方を経験して保健事情をよく知ったうえで、カトマンズからITを利用して技術を提供できる人の養成が必要である。
カトマンズのモデル病院には125床、キルティプルに建設中の新病院に175床、計300床で1学年50人の医学部の開設が認められる。
フェクトのメンバーの熱心な話は夕食時にも続きました。
翌7日もバンダのために、朝はゆっくり過ごしました。
11時頃にカトマンズ・モデル病院の看護学校を訪問、サヌ・ツラドハール校長、バサンダ医師などスタッフから説明を受けました。
ネパールの看護教育システムは、10年間の義務教育後に3年間看護の基礎を学び病院の看護師になり、2年の実務経験後に基礎後看護師コースにすすめます。
1学年40人で合計120人が学んでいます。学費は3年間で40万ルピー(ネパールのルピーは、1ルピー≒1円)で、公立より安いという説明でした。日本ネパール協会のHPに載った記事によれば、公立か私立で異なるが3年間で65万円から126万円かかるようです。
廊下に退学率のグラフが貼ってありました。2058年が1人、2064年が2人でした。「日本では途中でたくさんやめていくのが問題になっています」と伝えました(年号はヴィクラム暦で、西暦の4月中旬から始ります。4月で比較すると57引けば西暦になります。厚労省の資料によれば、看護学校の退学率は、大学は別にしておおよそ10〜20%です)。
今後はキルティプルの新病院建設により12年間の学校教育を終えた人を対象にした4年コースを開設したいそうです。病院建設には、医師養成看護師養成の両方の目的があるようです。
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全国の医療生協のカンパで作られた産科病棟の入り口です。お産は月間120件、半 数が帝王切開だそうです。 |
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大部屋の入り口です。部屋の中は人でいっぱいだったので撮りませんでした。313−333、とい う数字が読み取れますが、ベッド番号です。つまり、21人部 屋。 |
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看護学校は小高い丘の中腹にあります。 |
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カトマンズ市内の普通の道路です。ゴミだらけのところを撮ったのではなく、よく見られる風景です。 |
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