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香川医療生活協同組合

「いのちの章典」(案)の講演の反響から(その2)

(第526回 9月28日 )

 日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)が発行する医療福祉生協情報誌comcomに連載されている「つくろう!あたらしい 権利章典」のNo.10(2012 年10月号)に掲載した文章を転載します。一部修正しています。

 「医療福祉生協のいのちの章典(案)」の講演に対する感想や意見を取り上げてみます。

 タイトルに「いのち」という言葉を選んだことについては、肯定的なとらえ方が多いようです。ただ、「権利」という言葉を使っていないことについては、違和感を感じる方も少数ながらあるようです。

 「医療生協の患者の権利章典」(以下、権利章典)の主語あるいは主体が「患者」であるのに対し、今回は「ともに組合員として生協を担う私たち地域住民と職員」としました。そのため、個々の権利については触れていますが、タイトルそのものには「権利」という言葉を外しています。

 「医療福祉生協とは」という定義部分については、権利章典の定義部分を意識して書いたため、句点が一つしかない長い文書になっています。講演で読み上げていて少し長すぎるという感じがするので、分割した方がよいようです。

 また、権利章典では「自主的組織」であったのを、1995年の「協同組合のアイデンティティに関するICA声明」に即して「自治的組織」と表現しましたが、ここに着目する意見もありました。自分たちに関することは自らの責任について行うという考え方は、自ら考え行動する地域の組合員や職員を育成することにつながる、というものです。

 カタカナが多いのはよくない、なじみにくいという意見も多くあります。確かにそう思いますが、今回の文書は、昔からある「権利」を整理したものではありません。そのため、新しい考え方を整理する中でふさわしい日本語があればよいのですが、必ずしもそうでない場合もあります。ここは、是非全国の知恵を寄せ合い、よい言葉を見つけていきたいと思います。

 「アクセス権」については、受療権でよいという意見、幅広い権利を包含するのはよいと思うが表現に工夫をという意見が多く、予想通りなのですが、若い世代の方から「これはいい」という意見も多くあります。

 保険料が高い、自己負担が高い、保険証がない、といった問題だけでなく、「お産難民」や救急車の受け入れの問題、地域に医療機関がなくなりそもそも医療を受けられない、科の偏在の問題、介護保険では自由にサービスを選べないなど、健診も制限が多く自己負担も高いなど、幅広い概念を表す言葉として「アクセス」という言葉はわかりやすいという意見もあるのです。

 これからも多くの意見・感想をいただきながら、よりよいものに仕上げていきたいと思います。


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