(第514回 7月27日 )
香川県保険医協会報の「社保のページ」(社会保険のページ)に、「審査・指導」に関する文章を断続的に連載しています。
少し難しい内容ですが、転載します。一部修正しています。今回は、第3回です。
指導の対象となる医療機関の選定は、集団指導は新規指定の保険医療機関が対象となります。
集団的個別指導の選定基準は、診療所の場合、内科(人工透析なし)、内科(人工透析あり)、精神・神経科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科の入院外の社保レセプトの1件当たりの平均点数の高いものが対象となりますが、保険医療機関総数の概ね8%とされます。
個別指導の選定基準は、情報提供があったもの、前年度個別指導で再指導となったもの、高点数保険医療機関(上位4%)です。香川県の議事録によれば、2010年度のばあい、それぞれ2件、4件、14件となっています。
情報提供については、患者からのものも多く、特に「医療費通知」や「明細書発行」に伴うものですが、誤解に基づくものもあるので、患者や家族からの問い合わせには日常的に丁寧に対応・説明しておく必要があります。元従業員からの告発もあります。
高点数の基準ですが、病院の場合は県の平均点数の1.1倍、診療所は1.2倍です。
指導対象となるレセプトの内容は、高点数、傷病名が多い(概ね8つ以上)、投薬数が多い、実日数が多い、疑い病名やレセプト病名と思われる傷病名が多い、電話再診の算定、外来管理加算の算定、時間外・休日加算の算定、医学管理料の算定、在宅患者、投薬・注射・検査が画一的なもの、医師や従業員や家族のカルテなどです。
もちろん、診療報酬算定上必要な記載がカルテにあればなんら心配する必要はなく、正々堂々と主張すればいい訳です。医学的内容については、行政側と認識が異なることもあるので、相手側が納得するまで十分説明する必要があります。
例えば、特定疾患医学管理料なら、「治療計画に基づき、服薬、運動、栄養等の療養上の管理を行った場合」に算定し、「管理の要点を診療録に記載する」ことになっていますから、日常的にカルテ記載に十分注意を払う必要があります。
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