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香川医療生活協同組合

消費税増税が主目的の「税と社会保障の一体改革」

(第511回 7月10日 )

 地方政治新聞「民主香川」に、「税と社会保障の一体改革は国のかたちをどのように変えるか」という連載を開始しました。2012年6月17日号(1567号)に掲載した、第1回「消費税増税が主目的の『一体改革』」を転載します。一部編集をしています。

 「税と社会保障の一体改革」について具体的にどのような問題点があるのか、連載することになりました。

 この文章を書いているのは、6月10日ですが、情勢は混とんとしており政治情勢が大きく変わることもあり得ます。しかし、政治的にどのような動きがあろうとも、厚生労働省の方針が大きな幹のところで変わることはないでしょうし、国民の闘い如何によって政治を動かすこともできます。

 そんなダイナミックな変化も頭において、連載していきたいと思います。

 2010年10月に民主党は「税と社会保障の抜本改革調査会」を発足させました。同年12月に「中間整理」を公表しますが、「全世代を通じた安心の確保」「国民一人ひとりの安心感を高める」「包括的支援」など、一見安心が担保できるような表題がついていますが、具体的な内容は何一つありません。

 そのなかで、明確なのは「社会保障を支える財源」の項で、現在の仕組みでは「消費税(国分)を社会保障の高齢者3 経費と言われる年金・高齢者医療・介護に充当することとなっているが、現実にはこの3 経費に対しても約10 兆円の財源が不足」し「毎年1 兆円程度」増加すると指摘、結局「国民全体で広く薄く負担する」「安定した税収」という特徴を有する消費税は非常に重要だと、消費税増税が最初にありきという形になっています。

 要するに、10兆円足りない、毎年不足分が1兆円くらい増加する、3年後には13兆円くらい足りないので、消費税を5%上げないといけない(消費税1%は約2.5兆円に相当、5%で12.5兆円)。つまり、「税と社会保障の一体改革」は、消費税増税を行い社会保障財源の一部に充てる、という民主党の意図を正確に表した言葉になっていました。

 ところが、2011年になり、厚生労働省で議論が始まると、「社会保障・税一体改革」と呼び名が変更になり、民主党の方も、看板を掛けかえてしまいました。社会保障の充実は大事だから、その原資となる税金の問題も大事だ、という訳です。

 看板を変えても中身は一緒ですから、この連載では、引用する場合を除き、「税と社会保障の一体改革」と表記することにします。

 もう1点、「中間整理」では「今回の『税と社会保障の抜本改革』においても、これまで民主党が主張してきた原点に戻り、これを丁寧に繰り返し説明することで国民の理解を得ていくことが基本であると考えている」と述べています。だったら、消費税増税を言い出すこと自体が公約違反になります。


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