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香川医療生活協同組合

フクシマから「いのちの章典」を考える

(第510回 7月6日 )

 日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)が発行する医療福祉生協情報誌comcomの 2012 年6月号のコラム「社会派 しんさつ室 No.27」に掲載された文章を転載します。一部修正しています。

 「医療生協の患者の権利章典」「医療生協の介護」を発展させた文書について、各地で講演を行っています。先日は、郡山医療生協の活動交流集会に参加し、学習講演を行いました。

 JR郡山駅の駅舎は、地震による被害のため一時使用不能になりましたが、何事もなかったかのようになっていました。駅前に設置されたモニタリングポストは、0.436μSv/時を示していました。この数値をどう受け取るかはさまざまだと思いますが、日常的に放射線量を表示しなければいけなくなったという事実の重みを感じました。

 交流集会のテーマは「3・11 東日本大震災以降の一年を振り返って」です。そのなかでも、各地からの支援物資を仕分けした師長室の報告に注目しました。全国に発信されたニュースで紹介された、西東(さいとう)商店です(お店みたいだという意味です。後に八百屋と呼ばれました)。

 全国から生鮮野菜や果物が届けられました。浜北医療生協から「最初に野菜を送ることになった時、『福島の野菜はダメだ』ということにならないか」と、採れたての野菜を前に2時間議論したと聞き、受け取る側の気持ちを考え話し合ったことがよく分かった、という報告には胸を打たれました。

 こういった報告の直後の講演でしたから少しやりにくかったのは事実ですが、そもそも「権利章典」は「組合員・地域住民すべてのいのちを、みんなで大切にし、支え合う」ためのものです。東日本大震災、原発被害の中で新しい文書を考える時、やはりキーワードは「いのち」だと思うのです。

 第4次5カ年計画の解説書は「生協をいのちに活かす『かたち』プラン」です。医療福祉生協が何をめざす組織なのか、これから私たちがめざすものは何かを考える時、あらゆる場面で「いのち」を大事にし、こだわり続けていきたいと思います。

 新しい文書のタイトルを、「医療福祉生協のいのちの章典」(仮称)と考えていますが、全国の知恵を寄せ合い、よりよいものにしていきたいと思います。


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