「医療生協の患者の権利章典」に替わる新しい文書作成に向けて、医療福祉生協連の理事が全国で講演を行っています。会員生協でも独自の取り組みが積極的に行われています。
この間の取り組みの中で出た意見を参考にしながら、現在の到達点について考えてみたいと思います。
まず、文書のタイトルです。
第一次案は「医療福祉生協のいのちを守り健康をはぐくむ章典」(仮称)ですが、タイトルが長いのでもう少し短くわかりやすいものをという意見が圧倒的です。介護分野ではまだまだ利用者の権利が守られていないので、是非「権利」という言葉を入れてほしい、医療福祉生協だからこそ「権利」にこだわってほしいといった意見もあります。
一方、福島の方からは、健康づくりや受療権も大事だが何より「いのち」が大事なのではないか、という意見もあります。短くすればいいというものではありませんが、思い切って、「いのち」を基本に考える、「医療福祉生協のいのちの章典」ではどうでしょうか。
主語をどうするかも悩ましいところです。介護の世界では「患者」ではなく「利用者」と呼びます。
「患者・利用者」か、WHO(世界保健機関)の1994年の定義のように、健康であるか病気であるかを問わず、保健医療サービスの利用者を「患者」とよぶとすれば、「患者」のままでもよいのですが、この定義がそのまま日本で通用するかというと少し難しいのではないかと思います。
「共に組合員として生協を担う住民と職員」が主語でもよいと思いますが、やはり長すぎるので、知恵を絞る必要があります。
医療福祉生協とは、という定義部分も検討する必要があります。患者の権利章典の「医療生協」の項を基本に書き直したものですが、これだけでよいのかという意見もあります。
医療部会を結成した1957年は国民皆保険が実現する前でしたから、当然「医療」が中心テーマでした。その後、健康づくりやまちづくりが重要なテーマになりました。介護保険開始以降は福祉分野、いまでは食や住も事業や運動の対象となりました。こういった内容を表す言葉として「医療や福祉やまちづくりを通じて、いのちと健康の分野で住みよい社会を作る生協」であるという表現も可能かもしれません。
正確に丁寧に書くと長すぎる、できるだけ短いわかりやすい言葉を探しています。全国の声をぜひお寄せください。
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