「医療生協の患者の権利章典」に替わる新しい文書作成に向けた取り組みが全国で始まりました。
11月に東西で開催された集会には、45生協の地域組合員や役職員約180人が参加、参加者が地元に戻って報告会を開いたり、単協単位での権利章典の実践交流会も開催されています。
12月に発行したリーフレットでは、新しい文書の構成について、「前文」については具体的な提案を行いましたが、「主文」については「3つのポイント」を示すにとどめ活発な討論を呼びかけました。しかし、具体的な提案がなければ討議しにくいという意見もあります。
現在の権利章典では5つの権利が並列的に記載されていますが、その中でも「自己決定権」を中心に記載することを検討しています。
日本国憲法13条には「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利は……最大の尊重を必要とされる」と謳っています。また、憲法で最も重要とされる概念は「主権在民」です。
医療・介護・健康づくりの分野での「主権在民」を表す文言として、「健康の自己主権」について述べ、権利の項目の中心に「自己決定権」を据えてはどうか、というのが今回の提案です。
もちろん、他の権利との上下関係をつけることが目的ではありませんが、自己決定権を実践するために、知る権利や学習権があるという考えです。
2番目の論点は、「知る権利」に関連して、インフォームドコンセント、がんの告知、カルテ開示、マイカルテなどの実践を全国の医療福祉生協が行ってきました。個人情報保護法の下での私たちの活動の基本的なスタンスも大事です。そこで、これらの課題について、「自己情報コントロール権」という概念で整理はできないだろうか、ということです。
3番目の論点ですが、「しるけんり」と聞けば「知る権利」という言葉が思い浮かびますが、「じゅりょうけん」と耳で聞いても具体的な日本語はすぐには思い浮かばないのではないでしょうか。ここをもう少しわかりやすくしたいと思います。
憲法25条に記載された「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」は、基本的には生存権の問題です。保険料を払えば診療費が払えなくなる高すぎる国保税の問題など、「受療権」の問題や、健康に生活する権利など「健康」に関する権利なども、「生存権」の具体的な内容として取り扱うことは可能ではないでしょうか。
これからも全国の意見を参考にしながら、本文を練り上げていきたいと思います。
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