(第468回 12月9日 )
医療福祉生協連は、日本生協連医療部会当時の1991年に確定した「医療生協の患者の権利章典」をつくり替え、新たな文書を作成することを決めました。
その理由は、医療福祉生協連の創設を機に、医療福祉生協のめざすものやありたい姿を国民に示す必要があるためです。また、社会の発展と医療福祉生協運動の到達点を反映させた事業の行動規範が求められているからです。
「医療生協の患者の権利章典」は、「医療生協の介護」とともに事業サービスの基本的価値観となり、カルテ開示や模擬患者活動などのさまざまな活動を行い、医療福祉生協の事業の発展に大きな役割を果たしました。
その中で、「患者の権利」に対する理解がひろがり、知る権利やインフォームドコンセント等は常識となりつつあります。また、医療福祉生協の組合員活動や事業分野も大きく発展し、まちづくりや健康づくりでの社会的役割の高まり、介護事業の展開などで、「患者」だけが「主権」の対象ではなくなりました。
また、「協同組合のアイデンティティに関するICA声明」など、協同組合の価値や、正直さ、公開、社会的責任、他人への配慮などの組合員の倫理的価値が明らかになりました。社会環境も大きく変化し、超高齢社会の到来、地域医療・介護の崩壊、社会保障の後退など、運動の新たな旗印を必要としています。
2011年11月に「「医療生協の患者の権利章典」に替わる新しい文書作成に向けた検討と実践を全国に呼びかける集会」を、14日は東会場(東京)、22日は西会場(岡山)で開催し、合計45生協の組合員・役職員約180人が参加し、熱心に討論を行いました。
東会場では藤谷惠三専務理事、西会場では藤原高明副会長理事が基調報告を行った後、グループに分かれて、「権利章典」をつくり替える必要性についての疑問やこれまで「権利章典」が果たした役割、新しい文書への思いなどを話し合いました。
これらの検討を行う上で参考になる「虹のブックレット」を紹介します。価格(税込)はいずれも500円です。
- No81 ICA協同組合原則を学ぶ(栗本昭 2009年5月)
- No92 「医療生協の患者の権利章典」のこれからの討論のために
(日野秀逸2010年4月)
- No93 「医療生協の患者の権利章典」の今後を考える
(池永満・藤原高明2010年6月)
- No97 患者の権利章典のこれまで(藤原高明 2011年6月)
- No98 患者の権利章典を発展させるために(藤原高明 2011年11月)
左がNo97「患者の権利章典のこれまで」
右がNo98「患者の権利章典を発展させるために」です。 |
※下記のHPを参照ください。
http://www.hew.coop/2011/12/5891.html
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