(第459回 11月1日 )
日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)が発行する医療福祉生協情報誌comcomの 2011 年10月号のコラム「社会派 しんさつ室 No.19」に掲載された文章を転載します。一部修正しています。
7月号で「ヒマワリを植えるプロジェクト」を紹介しました。郡山市をはじめ福島県内で、全国から贈られたヒマワリの種が花を咲かせています。
郡山医療生協の坪井正夫医師(桑野協立病院院長)の「ヒマワリを植える思想」を紹介します。
- 医療生協の患者の権利章典を据えます。
- 核害に立ち向かう主体として基本的人権を主張します。
- 現在の状況は、原発が主権を取り戻すか、私どもが主権を取り戻すかの分岐点と見ます。
- 基地に主権を奪われた市民、核施設に主権を奪われた市民、核害に悩む市民と広く連帯します
放射能汚染にどう向きあうかを考えたとき、実態や原因を知る、放射線被害の学習をする、事実に基づき自分のことは自分で決める、といった≪知る権利≫≪自己決定権≫≪学習権≫などを駆使して生活していくことが必要です。
医療生協の患者の権利章典が、ここでも役割を発揮しています。そもそも、患者の権利章典は、医療という特別で専門的な分野でも民主主義が求められる時代になり、患者の権利を守る取り組みが重要になったという時代背景がありました。生まれ育った土地で生活するという、普通の生き方の中に民主主義が求められているということだと思います。
今回の原発事故による放射能汚染は、当初から必要な情報が提供されず被害が拡大しました。「直ちに健康に影響を及ぼすものではない」という国の説明で、内部被曝の問題があいまいになりました。基本的人権はどうなったのかという問題提起は重要です。
放射能汚染に立ち向かう福島の人々にどう関わりを持っていくのか。医療福祉生協連では、金銭や物資によるカンパ・援助だけでなく、リフレッシュ休暇を保障するための看護師支援や、サマーキャンプに親子で参加してもらう取り組みなどを行ってきました。
この運動はまだまだ続けていく必要があります。「いま、自分たちにできること」を模索していく必要があります。
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