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香川医療生活協同組合

2012年からの介護保険料について、自治体の対応を明らかにしましょう

(第453回 10月04日 )

 10月3日付四国新聞に「保険料割高感に格差 高松市が高齢者アンケート」という記事が掲載されました。高松市が実施した「高齢者の暮らしと介護についてのアンケート」の結果をまとめた記事で、「現在の介護保険料を高く感じている層が介護サービス利用者では3〜4割にとどまった一方、未利用者では6割を超えた」としています。介護保険料が、収入の少ない高齢者に負担がかかりすぎているという指摘がありますが、それを反映している調査結果です。

 日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)は、2011年3月に18生協を対象に「介護保険利用状況調査」を行いました。詳細は、医療福祉生協の情報誌comcomの2011年9月号に掲載していますが、その内容の一部を紹介したいと思います。

 この調査は、介護保険利用者を対象にしたもので、担当ケアマネジャーに調査を行ったものです。介護保険には介護度に応じた「利用限度額」が定められていますが、受給者の18.8%が限度額の20%未満の利用、39.3%が40%未満の利用率となっています。利用額が50%未満である利用者のうち25%が「経済的理由」により、介護保険の利用を抑制していました。

 事例としてあげられている要介護2の方の例ですが、生活保護の老齢加算が廃止されたため、食事代負担を避けるためにデイサービスの利用を中止した。入浴は、ショートステイ利用時の月2回のみとなった。

 一人暮らしの高齢者の場合、入浴が問題となります。住んでいる家に浴室がなければ当然のことですが、浴室があっても、一人で入浴することが困難あるいは危険なため、安全面からデイサービスやデイケアで入浴することが望ましい場合が多いのです。入浴ができなければ、清潔の面で問題がおき、病気にかかりやすくなります。何より「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されていないことになります。

 2012年の介護報酬改定に向け、各自治体は介護保険料について、検討を始めています。高松市の「平成21年度介護保険事業特別会計決算の概要」によれば、3億4千万円弱を「繰越金」として次年度に繰り越しています。また、保険料の儲け分(剰余金)は2億5千万弱になっています。合計6億円近いお金が「余った」ことになります。これを、どう使うのかが問われています。

 もちろん、すべて一気に使ってしまう訳にはいきませんが、「貯金」だから手を付けないというのも問題があります。財政の問題も含め、自治体と交渉を行い、事実を住民に明らかにしながら、負担額を減らし、利用しやすい介護保険制度に変えていく必要があります。


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