7月13日、菅首相は記者会見で「原発に依存しない社会を目指すべきと考える」と述べました。その後、「個人的発言」と姿勢を後退させましたが、この発言の持つ意味は重いと感じます。
マスコミ各紙は社説で「方針を歓迎し、支持」 (朝日)「基本的に支持し、評価」(毎日)と賛意を示す一方で、「脱原子力発電の“看板”だけを掲げるのは無責任」(読売)「首相の発言は無責任」(日経)と、世論が2分されたかのような印象があります。
しかし、世論調査では国民の意志ははっきりしています。
6月初めの朝日新聞の調査では「原子力発電を段階的に減らして将来はやめる」ことに74%が賛成、中旬の日本世論調査会では、54基ある原発を「直ちに全て廃炉にする」など「廃炉を進める」とした人が合わせて82%でした。
7月初めのTV朝日の調査では、これからの原子力発電について減らしていくが60%、現状維持が34%でした。読売新聞の調査でも、国内原発を「減らすべき」「すべてなくすべき」を合わせ65%、「現状を維持すべきだ」は29%でした。
原発に依存するエネルギー政策は福島原発事故を機会に転換すべきで、エネルギーを原発以外の手段に求めるのが国民の声であると思います。
脱原発政策をとるとして、当然、生活全般の見直しが必要です。
太陽光発電システムを取り付けたという方からお話を聞きました。10年で元が取れるからそれまでは元気でいないといけない、といいながら、売電制度(太陽光発電における余剰電力買取制度)の額を教えてくれました。簡単にできる電気の「見える化」です。次は太陽熱温水器と井戸を掘ることだそうです。
すべての地域でこういった取り組みができるわけではありませんし、投資額の問題もあります。電気を使わない生活ができるわけでもありません。
脱原発後の社会のありかたを考えていく時期だと思います。
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