(第445回 8月23日 )
日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)が発行する医療福祉生協情報誌comcomの 2011 年8月号のコラム「社会派 しんさつ室 No.17」に掲載された文章を転載します。一部修正しています。
東京電力福島第一原発が引き起こした放射線事故による被がいは、とどまるところを知らず広がっています。
東京都内の放射線量は従来新宿区のデータだけでしたが、これは地上18mの高さの測定で周辺環境の影響を受けないという利点はありましたが、住民の生活環境への影響、とりわけ小児への影響を考える上で不十分でした。
地上1mの高さで測定した東京都内のデータを、日本共産党東京都議団が5月25日に公表しました。それによると、23区の東の地域で高く、さらに詳細な調査が必要とされました。この調査を受ける形で、6月中旬に東京都が都内100カ所で測定を開始、区独自の調査も始まりました。
私の住んでいる香川県のデータが気になって調べてみると、高松市の海岸部にある県環境保健研究センターのモニタリングポストで常時監視を行っており、1時間あたり平均0.053マイクロシーベルトでした(6月中旬の値)。しかし、これは地上20mでの測定です。また、地上での測定は市町庁舎の屋上で行うため高さが一定でなく、ハンディタイプの器械が古く毎時0.1マイクロシーベルト以上の値でなければ測定不能です。通常の値を大きく超えても、「N.D.(検出せず)」と発表されていたことがわかりました。
全国でも状況は似たようなものではないでしょうか。
医療福祉生協連では、福島県の医療福祉生協に、正確に測ることが可能で精度管理もできる放射線測定機器を送る運動を行います。同じ県内でも地域によって異なる、植え込みや水たまりでは周囲より高い可能性があるなど、できるだけ多数の場所で測定し、放射線量が高い場所には速やかに対策をとるなどの対応が必要です。
前回報告した、福島県の医療福祉生協にヒマワリの種をおくる運動と合わせ、全国で取り組みたいと思います。
同時に、自身の環境にも目を向ける取り組みを行っていく必要があります。
|
香川医療生協では、郡山医療生協の宮田専務をお招きして、「原発被害、福島からの報告 今私たちは何をすべきか」の学習会を開催します。是非ご参加ください。
● 日 時:2011年8月28日 (日) 午前10時〜12時
● 会 場:香川県社会福祉総合センター 7階 第一中会議室
● 参加費:無料 (資料代100円)
● 講 師:宮田育治氏 日本医療福祉生協連常任理事 郡山医療生協専務理事 |
|