(第440回 7月26日 )
7月22日、日本医療福祉生活協同組合連合会は、東日本大震災復興対策担当の平野達男内閣府特命担当大臣に「東日本大震災被災地における復旧復興に関わる医療福祉生協の要望」を提出しました。
医療福祉生協連が、助け合いの活動を進めると同時に、医療福祉生協自体が大きな損害を受け、その出資者である組合員自身も大きな被害を受けていることを述べた後、資金手当ての困難が生じており医療福祉生協の復旧に対しての公費助成を要望し、必要と考える事項について予算等に反映するように、要望書を提出したものです。
長文ですが、要望事項を紹介します。
(1). 被災した医療福祉生協の復興と被災者に対する医療・介護サービスの確保に関する要望
- 医療施設・介護施設・福祉施設の補修・移転新築など事業の復旧・再建のための助成を行うこと
- 医療福祉生協も「社会福祉施設等災害復旧費国庫補助金」の対象とすること
- 施設の損壊を受けた医療施設における医師、看護師等の医療従事者の雇用継続のための人件費の助成を行うこと
- 医療従事者に対するメンタルケアの支援を行うこと
- 地震・津波による被災者や放射線問題に不安を抱える住民の心のケアを行う体制の整備を行うこと
- 避難地域における入院・入所サービス提供体制の充実整備を行うこと
- 被災者の医療費一部負担金免除の広報を充実すること。「生活支援ハンドブック」「生活再建・事業再建ハンドブック」への最新情報の記載と、その周知徹底を行うこと。
- 医療・介護サービスの確保を含む生活全般に関する被災者の要望を自治体がコミュニティー単位で聞く場を設けることを助成する措置を講じること
(2). 原発事故に関する要望
(1) 被曝予防・情報公開
- 外部被曝・内部被曝をあわせた全体の被曝量の基準の設定を行うこと
- 天候に応じた放射能に関する日常生活上・外出時の注意・防衛策について、マスコミを通じての周知徹底を行うこと
- 農水産物の品目ごとの作付け・流通等に関する放射線基準・対応指針の設定を行うこと
- 作物の作付制限の状況、家庭菜園への影響、外遊びの可否、外出時の注意などについて具体的でわかりやすく正確な情報提供を行うこと
- 福島県内の子どもの被曝線量軽減のための諸施策の実施(夏季休暇の長期化、遠隔地における子どもキャンプの実施等)を行うこと
- 町内会単位での線量計の配備を行うこと
- 地下水・海水・海藻・農水産物の放射能汚染状況、3月11日以降の放射線積算線量などについて正確な情報収集・データ測定を行い、国民にわかりやすい形で迅速に開示すること
- 原発事故の今後の収束の見通しのほか、年間の風向きなど季節による変化が予測される放射能汚染に対する早めの対応策について公表すること
(2) 健診
- 内部被曝を含め、被曝健診等健康診断(甲状腺エコー(子ども))、内部被曝健診((ホールボディーカウンター)・血液検査など)の無料実施を行うこと
(3) 補償
- 原発事故による福島県内の医療従事者の減少、患者の減少による医療機関の減収への補償等、原発事故による事業者などの減収への補償を行うこと
- 直接的な放射能の影響(被害)に関わらず、原発事故の影響による損害を受けている被災者への補償を行うこと
(4) 放射性廃棄物の処理
- 放射性廃棄物となる枯れたひまわり等の政府・東京電力による処分の実施を行うこと
- 除染により集まった放射性廃棄物の保管と処理を、政府・東京電力により実施すること
- 除染ボランティアの活動に係る交通費・保険等の費用への助成を行うこと
(5) エネルギー政策
- 原子力に依存しない新しいエネルギー政策の立案を行うこと
(3). その他
- 生協・NPO等による、仮設住宅入居者の閉じこもり予防活動への助成金支給を行うこと
- 全国に離散した避難者と元のコミュニティーとの関係維持の支援を行うこと
- 仮設住宅入居後も、実情に応じ必要な生活物資の援助を受けることができるような施策を実施すること
- 放射能被害が拡大した場合の対応措置の策定・公表、必要な諸準備の実施を行うこと
以上
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