(第430回 6月10日 )
6月9日付四国新聞は「新中央病院、工事中断へ/再開は検証後判断」と題する記事で、「東日本大震災を受け、香川県が高松市朝日町で建設中の新県立中央病院の工事を一時中断する方針を固めたことが8日、分かった」と報じました。
香川県保険医協会は4月度定例理事会で、東日本大震災による地震・津波・地盤の液状化現象による種々の災害が起きたことより、県立中央病院の立地問題について検討し、6月6日に次の5点について申し入れ(要旨)を香川県に行いました。
- 新病院の建物の耐震性は、M8を超える規模の地震に対応できるか。地震後に、ヘリコプターが着陸するのに耐える設計になっているのか
- 激しい揺れによりスプリンクラーが破損すると病院が機能しないが、対応できるか
- 非常電源を含む電源対策は、激しい揺れや2m級の津波に耐える内容か。非常電源に対応する燃料の対策はどうか
- 7年前の水害時に新病院地域は水につかり通行不能となったが、交通アクセスの対策はできているのか
- 液状化対策は、周辺道路も対策できていなければ災害拠点病院として機能しないが、この点はどうか
記事によれば、「中央病院防災対策検討会議が8月ごろまで続く予定で、少なくとも結論が出るまでは工事を止める見通し」とのことです。
東日本大震災にどう立ち向かうかという観点で考えると、香川県においては、新県立中央病院の建設地が最も震災に弱いと考えられる朝日町でよいのか、ということを工事をいったん中止し再検討する必要があります。
ぜひ時間をかけて再検討すべきですし、計画を棚上げにしてでも別の土地を探し、香川県の防災拠点病院としてふさわしい施設にしていく必要があると思います。
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