(第428回 5月27日 )
日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)が発行する医療福祉生協情報誌comcomの 2011 年5月号のコラム「社会派 しんさつ室 No.14」に掲載された文章を転載します。一部修正しています。
3月11日に発生した東日本大震災は、多数の人命を奪っただけでなく市街地全域にわたり壊滅的な被害を生むなど、想像を絶する規模となっています。東京電力福島第一原子力発電所施設の爆発・損傷は、放射性物質の外部への放出による被ばく、農作物の出荷停止などこれまでに経験したことのない様相を呈し、収束の見通しが立たない状態になっています。
また、医薬品の製造や流通面の障がい、検査に使用する材料の不足など、日常診療にも影響が出ています。自動車生産にみられるように、製造業でも部品の調達が困難になり、日本経済全体に影響がでています。
医療福祉生協連は、医師や看護師をはじめとする医療専門職や事務職など多数の職員を、自主的に全国から現地に派遣して救援活動を行っています。
また、水や食料だけでなくガソリンなど物流面の障がいに対応するため、新潟医療生協内に、医療福祉生協東日本大震災支援物資センターを設け、新潟県生協連と協同して物資を送っています。また、全国の会員生協の中でも購買生協など他の協同組合と連携した支援活動も始まっています。
今回の大震災に対しては、被害の規模と被ばくの問題から考えて、長期にわたる息長い支援活動が必要です。
人の支援、物の支援、金銭による支援が当面の重点ですが、生活の場を失った方や、被ばくから避難してくる人たちへの支援も必要です。空いている公営住宅や空き家の活用など、住宅面での支援が重要です。
事業所への入院患者等の受け入れや要介護者等の受け入れも、大事な支援活動です。また、組合員によびかけ「疎開」も視野に入れた活動も求められます。
阪神・淡路大震災と異なり、地域組合員によるボランティア活動にも制限がありますが、医療福祉生協ならではの地域での活動を考えていきましょう。
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