(第407回 3月4日 )
2010年8月1日に高松市で行われた民間シンクタンク「構想日本」が行った「事業仕分け」で、「在宅介護の支援は家族のケアを重視すべき」という理由で寝たきり高齢者への紙おむつ支給事業が「不要(廃止)」と判定されました。
高松市はこれまで、65歳以上で6か月以上寝たきりや認知症でおむつを必要とする方などに、おむつや尿とりパッドなどを支給する事業を行ってきました。
事業仕分けをうけ、高松市は「来年度は支給対象者を要介護度3度以上とし、再来年度は廃止」する方針だと伝えられています。
香川医療生協は市内の介護事業者の声を聞くために、郵送によるアンケート調査を行い、50事業所から「現在の事業廃止に反対」の賛同を得ました。また、「見直しは必要なので廃止反対とは言えないが、完全廃止するのは問題」という意見も多く寄せられています。
3月9日18時から香川県社会福祉総合センターで、事業者の方に集まっていただき、今後の運動方向について検討する予定です。
アンケートに寄せられた声の一部を紹介したいと思います。
- 「トイレの失敗」が家族介護の心が折れる原因の一つ。高松市はそれがわかっていたのではないか。給付している家の意見を聞いてから決めても遅くはない
- 赤ちゃんはトイレトレーニングでおむつがはずれるが、寝たきりや認知症の方ではなかなか困難。人生の大先輩を安心させてあげたい
- 配送料が高いというが、他県ではチケット制のところもある。無駄な経費を削減しながら継続してほしい
- おむつの買い出しは荷物がかさばり大変
- 給付対象となる所得制限を下げるなどして継続を
- 低所得者は介護保険の1割負担が払えず大変。おむつの給付が止められたら困る
- 高松市の在宅サービスの中で紙おむつ給付事業は一番ニーズも多く利用者・家族から喜ばれている。年金暮らしでただでさえ切り詰めている高齢者に酷いとしか思えない。
現場で仕事をしている方たちの意見だけに、胸をうつものがあります。高松市にこういった声を届け、よりよい制度に変えていく必要があります。
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