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香川医療生活協同組合

高松平和病院が開始した無料低額診療事業を「公的病院」にも広めましょう

(第378回 11月02日 )

 10月26日付(第376回)の続きです。

 高松平和病院が、県下で2番目に無料低額診療事業を開始しました。「四国」「山陽」「毎日」など新聞が取り上げたほか、RNC、KSBなどがニュースで放映してくれたおかげで、病院には問い合わせが続き、無料低額診療につながる可能性があるケースもあります(現在進行中です)。

 相談事例には、年金は月に13万だが仕事の借金が多く受診するのも大変、国保料の未納分を支払っているが保険証を交付してくれない、一部負担金が大変、調剤薬局で支払う薬剤料が大変(保険調剤薬局の支払いは、無料低額診療事業には含まれない)など、地域にある困難な現状や、先進国では最も高い医療費の自己負担が国民生活に大きくのしかかっている現状などが浮かび上がってきました。

 最初に「放映してくれたおかげで」と書きましたが、この表現には特別の意味があります。マスコミで報道された直後に、ある職員が知人から「こんな制度があるとは知らなかった」と声をかけられたそうです。確かに、香川県では済生会病院だけが行っていた事業ですから、知らない人も多いと思います。

 元々、この制度は国民皆保険制度が始まる前の法律に基づくものですから、皆保険制度がきちんと機能していたら本来必要のないものです。ですから、厚労省は1987年以来「社会情勢等の変化に伴い、必要性が薄らいでいる」として、「抑制を図る」方針をとっていました。しかし、2008年9月麻生内閣の時に、日本共産党の小池晃参院議員(当時)の質問趣意書に対し「無料低額診療事業については、低所得者等に対する必要な医療を確保する上で重要であると評価しており、一定の役割を果たしていると考えている」と回答、ここから全国的に流れが変わって来ました。

 困った時にどこに相談したらよいのか、など迷っている人が多いのが現状です。こういった仕組みが存在することを、私たち医療生協の力だけで広げていくことには限界があります。マスメディアが伝えてくれることにより、これまで繋がりのなかった人にメッセージを送る事ができます。

 香川医療生協ではこの取り組みを、高松平和病院だけでなく他の診療所などにも広げていくことを準備しています。

 県内では、香川県済生会病院と香川医療生協・高松平和病院だけが行っていますが、県立病院、市立病院や市民病院、国家公務員共済組合連合会の病院、社会保険病院、厚生連の病院など、「公的病院」に分類される病院こそが率先して行うべき事業だと思います。

 この制度の活用が広まり、安心して治療が受けられるような社会にしていくためにも、重要な活動だと思います。

 (この項、続く)


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