(第375回 10月22日 )
日本生協連・医療部会発行の、医療生協情報誌comcomの 2010 年10月号のコラム「社会派 しんさつ室 No.7」に掲載された文章を転載します。一部修正しています。
8月下旬、お盆が過ぎても暑い日が続きます。気温が体温を超えると、息をするだけで疲れてしまいます。高齢者が「息をするのも辛い」という気持ちを実感します。
東京都監察医務院によると、梅雨明け以降の1ヵ月間で、東京都23区内の熱中症が原因とみられる死者は100人になったそうです。厚生労働省の発表では、過去10年間(1999年〜2008年)の熱中症による全国の死亡者数の合計は193人ですから、今年の暑さが異常であることは明らかです。
死亡者の特徴は、高齢者、一人暮らし、屋内で、夜間に死亡している例が多いといわれています。医務院は「身内による電話や訪問、地域での声かけなども熱中症の予防や初期症状発見につながる」と呼びかけています。
10月1日から生協強化月間が始まります。今年の月間は、地域の医療・福祉を向上し明るいまちづくりをすすめる、日本医療福祉生活協同組合連合会創立後の最初の月間として、特別な意義を持っています。
今年の重点課題は、過去最高の到達(2006年、47,278人)を超える組合員を増やし、班を作り、助け合い・支えあいのセーフティネットを築く事です。この運動を通じて、身内でなくても訪問をしたり声かけができる人間関係をつくる事ができます。
「いのちの大運動」の取り組みで「出会い・ふれあい・支えあい」を広げ、たまり場づくりやサロンづくりをすすめます。地域の「ひとりぼっち」をなくす取り組みを強化していけば、これまでになかった新しい人間関係ができ、地域に大きな協同の輪が広がります。
何より、こういったことを進めていく運動の母体となる医療福祉生協連ができたことを地域に知らせ、さまざまな団体との対話を広げていくことが大事です。地域の購買生協や農協など、生協間で手をつないで運動を進めていくチャンスでもあります。
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