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香川医療生活協同組合

フエ市の医療生協セミナー(7)の質疑応答です

(第363回 9月10日 )

 7月16日にフエ市で開催された、「医療生協セミナー」報告の7回目です。

 日本側3名、ベトナム側3名の発表の後、質疑応答が行われました。回答は3人で分担して行いましたが、ここでは、一人の発言にまとめた形で報告します。

 1番目の質問は、「医療生協を組織するための予算やお金について」です。

レディーファーストで、女性陣が前に並んでもらいました
レディーファーストで、女性陣が前に並んでもらいました

 「基本的には出資金がベースになりますが、出資金だけでは土地を買ったり建物を建てるのには足りませんから、銀行や組合員さんから借りる仕組みがあります。日本の医療費は、公定価格が決まっていますから、患者が増えれば収入も増えます。これらを合わせて運営します。組合員が増えれば、私たちの病院だから利用しようと、利用者が増えますから、利益も増え様々な活動が可能になるという仕組みです」と返答しました。

 2番目の質問は「医療生協で働く医師や看護師は、どうして医療生協で仕事をするのか、どんな努力があるのか、給料などについて知りたい」というものです。

 「高校生の頃から病院見学を企画し、見に来てもらう取り組みや、医師や看護師になるための学校にいっている時にも、実習という形で見にきてもらい、医療生協の活動に触れてもらいます。そこで医療生協以外の医療機関との違いを見て、組合員と一緒に活動する、地域を変えて行く医療をやりたいという人が就職するということをめざしています」

 「給料については、地域により異なります。給与水準は違いますが、その地域で最高ではありませんが、最低でもなく平均的な水準ではないかと思います。ただ、医療生協で働きたいという医師や看護師は、給料が高ければいいというのではありませんので、低すぎるのも困りますが、活動そのものが楽しいということに努力します」と、回答しました。

 3番目の質問は「国立病院の医師や看護師と、医療生協で働く医師や看護師との違いは何か」というものです。

 「日本では、国立病院の多くは、専門的な領域の医療に特化している事が多く、医療生協の病院では、患者が抱える幅広い問題に対応できる医療をやっていることが多い。専門的な医療や研究がやりたくて医療生協をやめる医師もいますが、専門に特化した医療より幅広い医療をやりたくて医療生協にくる医師もいます。看護師でも似たような状況があります。医師も看護師も、どこで働くかは個人の自由で、どこで働くかは自分で選ぶことができます。結局、医療生協に理解を示す医師や看護師をどれだけ増やせるのか、ということになります」と、回答しました。

 4番目の質問は「医療生協に入ってもらうためのよびかけや、支部や班の役割について教えてほしい」というものです。

TV局が取材に来ていましたが、ベトナムのTVはチャンネル数が多く、放送時間もわからないため、見 ることができないし、放送されたかどうかも分かりません。今回は大峰さんが偶然見ることができ、写真を取ってくれました。記念の 1枚です。
TV局が取材に来ていましたが、ベトナムのTVはチャンネル数が多く、放送時間もわからないため、見 ることができないし、放送されたかどうかも分かりません。今回は大峰さんが偶然見ることができ、写真を取ってくれました。記念の 1枚です。

 「地域で自分たちのやっていることを、住民に知らせます。新聞やニュース作りを大事にし、それを持ち各家庭を訪問し、町民が行事に参加してもらい、医療生協に加盟する仕組みがあります。人々の興味や関心ややりたいことは異なっているので、個別の要求にどう応えられるかを、常に考えているのが支部の活動です。そのため支部は常に地域を意識し、住民の要求を掘り起こすことに全力を尽くします。班は、自分たちの要求を満たすために活動します。支部は地域のために働くが、班は自分たちの要求を満たし、自分たちの健康づくりのために活動します」

 「班は、ご近所数人が集まり、自分たちの健康づくりや、生活の問題について協力しあっている組織です。支部は、広い地域にいる組合員のための活動を組み立てる組織です。支部は、組合員が学習し、健康づくりの担い手として活動できるように援助する取り組みを行い、班の活動を指導したり、応援する役割だと理解すればよいでしょう」と回答しました。

(続く)


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