(第360回 8月31日 )
医療生協を代表する全国組織である、日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)の創立総会が7月6日に東京都内で開催されました。日本生協連医療部会に加盟していた115すべての医療生協と、日本生協連の代議員が全員参加し、満場一致で新しい連合会の定款や役員を選出しました。
8月20日に厚生労働省の認可を受け、8月27日に第1回理事会を開催し、会長理事に高橋泰行・医療生協かわちの理事長、副会長理事に藤原高明・香川医療生協理事長、矢野和博・日本生協連統括専務理事、日野秀逸・東北大学名誉教授、専務理事に藤谷恵三・日本生協連医療部会事務局長を選出しました。事業開始は10月1日ですが、実質的なスタートを切りました。
7月6日の創立総会での、高橋泰行・医療生協かわちの理事長の挨拶(大要)を紹介します。
2007年5月に成立した生協法改正法案が、2008年4月より施行された。1948年の生協法成立以来60年ぶりの抜本的改正だが、日本の経済・社会は大きく変化し、生協の購買・共済・医療・福祉などの活動も発展・多様化し、国民の生活に大きな影響を及ぼすようになった。医療福祉サービスへのニーズもますます高まり、生協に対してもより専門性の高い医療福祉分野における事業の点が求められるようになった。
こういった状況のもと、生協の社会的役割と責任が果たせるよう、生協法が改正され、生協の事業項目として新たに医療事業、福祉事業が明記された。その社会的要請や期待に応えるため、昨年5月日本生協連医療部会総会で、専門性を持った指導、連絡、調整、連帯事業を推進する医療福祉の全国連合会づくりを目指すことを決定し、設立発起人会をつくり、設立趣意書、定款、事業計画などについてすすめてきた。
医療部会が発足して以来、伊勢湾台風や阪神淡路大震災などの支援や、医療生協の患者の権利章典、医療生協の目指す健康習慣、医療生協の介護、家庭医療学開発センターの設置など、事業の拡大と質の向上に努め、組合員の健康づくりや助けあい運動を進めて来た。
医療福祉生協連は、その歴史を受け継ぎ、さらに発展させようと、設立趣意書の中で、第1に理論政策活動と会員生協の事業と運動を発展させ、日本の医療福祉の向上と組合員の願いを実現すること、第2に医療福祉事業発展のため会員生協間の専門性を持った、ナショナルセンター機能を果たす、という2つの使命を明記した。
目指すべき目標として、人権の尊重と社会保障の充実をはかる、いのちと健康をおびやかす戦争に反対する、健康で平和な日本社会を実現する、世界の保健協同組合運動との連帯を強め貧困の撲滅と保健衛生の向上、地球環境の改善をはかるという、4つの目標を掲げている。
医療福祉生協連は何よりも組合員のいのちを守り、健康づくりに貢献できる事業と運動をすすめたい。医療福祉サービスの提供と健康知識の普及や生活習慣の改善援助を通して実現したいと考えている。もっと多くの方々に医療福祉生協の存在を知って頂き、医療介護の切れ目のないサービスを提供すること、そこに積極的に取り組んでいきたい。
そのことにより、医療福祉生協連の社会的存在感が高まり、国や自治体の医療福祉行政への積極的な提言と協力が出来る組織へと発展していけるよう努力していきたい。また、日本の協同組合運動だけでなく、国際的な保健協同組合運動や、WHO、ILOなどの国際機関との連帯を強化し、国際的な協同や連帯のために努力していきたい。
生協に対する医療福祉分野への期待に応えるためには、全国の医療生協が一層事業を拡大し、新しい組合員を積極的に受入れ、300万そして400万組合員の組織となり、さらに新しい生協を会員に迎え入れ、一層強く、大きな組織へと発展することが求められている。課題は山積しているが、全国の生協の連帯と協同の力でこれらの課題に取り組み、前進し、成果をあげたい。
|
|