(第357回 8月20日 )
7月16日にフエ市で開催された、「医療生協セミナー」報告の4回目です。組合員代表として参加した、盛岡医療生協・遠藤副理事長の報告の要旨(上)を紹介します。
遠藤さんの報告です。
医療生協の活動の原則を、実践に照らして報告しました。私もずいぶん勉強になりました。
私は日本の北部、東京から500km北に住んでいます。私の住む地域は医療生協の病院から20kmほど離れています。30年前、医療生協の最小単位である「班グループ」をつくりました。「病気の早期発見にも役立つ健康チェックや健康づくり」を始めたのです。
30年前はまだ若く、子育て真最中でした。子どもの発育を気づかう母親たちが、子どもの病気と健康づくりの勉強をすることにしました。医療生協の病院から小児科医師や医療スタッフを呼び、団地の集会所で学習を始めたのです。発熱したときの応急手当、歯磨き、おやつや食事づくりを学びました。子育ての悩み、生活上の問題などを語り合い、学び合う場にもなりました。
40代になり子育ても一段落すると、私たちの関心は「自分たちの健康づくり」に移っていきました。医療スタッフも参加し、健康に関する詳しい事柄や、病院の経営、事業についての考え方などを聞くことができるのです。逆に、組合員から医療生協の病院を利用した人たちの意見や苦情を伝えることができます。
セミナー参加者が、あらかじめベトナム語に翻訳されたレジュメを熱心に見ながら、通訳の報告を聞いている様子が伺えます。
医療生協は、自主的な集まりである組合員が出資し、出資をもとにしてつくった病院や事業を利用するための組織です。一番大きな目的は「誰もが健やかな一生を送れるようにする」ことです。その目的を達成するために「出資」するだけではなく、事業を「利用」し、「運営」に参加する。これが組合員の基本的な役割になります。
「班」は隣近所レベルの小さな単位ですが、もっと大きな「支部」という組織をもっています。支部のエリアは300から1000の組合員世帯が目安です。支部は地域の班活動を支援しながら、支部としての計画を立てて活動しています。
地域に安心・安全のネットワークを作り地域全体の健康づくりをすすめる。
地域内のコミュニケーションを発展させ、困った時の助け合いや支え合いができる人間関係を構築する。
機関紙などを活用して医療生協を理解してもらうこと、事業内容などをお知らせすること。そして地域に組合員を増やすこと。
出資してもらうだけではなく、事業の利用や運営、健康づくりの活動などに積極的に参加してもらうこと。
(この項続く)
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