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香川医療生活協同組合

第335回 診療報酬の事実上の据え置きに抗議し 再改定を強く望みます

(第335回 5月21日 )

 香川県保険医協会報 2010年4月号の「主張」欄に掲載した文章を転載します

 診療報酬改定が行われました。

 保団連は、「医療崩壊を食い止めるために10%以上の引き上げ」を主張しました。しかし、厚労省の唱える0.19%アップに、後発品のある先発品の追加引き下げ600億円が入っておらず、実際の改定率は、わずか0.03%(100億円)の増にとどまりました。

 まず、診療所の再診料が2点引き下げられ、病院・診療所とも69点に統一されました。2009年6月の中医協医療経済実態調査では、医科診療所は28%が赤字で、再診料引下げに根拠はありません。また、頻用検査や基本的な処置、診療所に多いアナログ・エックス線撮影料等も引き下げられ、診療所をねらい撃ちにした改定と言えます。

 標榜時間外に患者からの問い合わせに対応する「地域医療貢献加算」が新設されましたが、この制度により、かえって診療所の負担が増えるのではないかと懸念する声もあります。

 リハビリテーション分野では、2012年の医療報酬・介護報酬同時改定を見据えた内容が見て取れ、慢性期リハビリを介護保険に移行させる布石の可能性も否定できず、注視しておく必要があります。

 有床診療所の一般病床は、8日以上の入院基本料が全て引き上げられ、在宅療養支援診療所の指定を受けている場合の初期加算(7日まで)が新設されました。また、在宅療養支援診療所が急性期病院や在宅からの患者を受け入れた場合に算定する初期加算(14日以内)が新設され、地域の第一線医療の役割を評価したものです。

 一般病棟15:1入院基本料が20点引き下げられ、90日を超えて入院する患者の報酬が包括される後期高齢者特定入院基本料が全年齢に拡大されるため、中小病院の経営は困難になります。また、病院の療養病床については、「25:1看護+25:1看護補助」の報酬が大幅に引き下げられるという問題もあります。

 この間の保団連や保険医協会の取り組みによって、不十分ながら一定反映されている点は評価しつつも、全体として、医療崩壊に資する内容とはいえない、というのが実感です。再改定を強く求めるものです。


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