(第333回 5月11日 )
日本生協連・医療部会発行の、医療生協情報誌comcomの 2010 年5月号のコラム「社会派 しんさつ室 No.2」に掲載された文章を転載します。一部修正しています。
映画「おとうと」を見た人から、「これは医療生協の映画ですね」と声をかけられました。
確かに、家族の中での人と人とのつながり、近所付合い、他人だからこそ思いやりの気持ちを持てる人間関係、ボランティア精神旺盛なホスピス、気軽に声をかけあう医師と患者の関係など、私たちの活動に合い通じるものが沢山あると思います。
医療部会設立50周年記念事業として取り組んだ「母べえ」は、医療部会が取り扱ったチケットが5万枚を超え、地方の映画館で平日の昼間にも観客が多かったと話題になりました。
今回は医療部会の取り扱い分が1万枚で少なかったのですが、「医療生協の活動のあり方を考える」として取り組んだら、もっと多くの人に見て頂き、感想を語りあえたのかも知れません。
7月6日に設立予定の日本医療福祉生活協同組合連合会は設立趣意書で、現状についてこう述べています。
「今、日本の社会は大きな転換期を迎えています。医師不足による地域医療の崩壊、単身・高齢者世帯の増加や地域社会の結びつきの希薄化のもとで広がる介護の困難など、医療や福祉への不安が広がっています」
生協をいのちの分野に活かす大運動では、「一人ぼっちが一番の危機」という言葉の元に、全国で70万部近くが活用されたインフルエンザ特集の「虹のネットワーク」を手に地域の訪問活動を行ったり、様々な助けあいの活動や、ハローワークの中や門前での健康チェックなど、幅広い活動が行われました。
2010年度の医療部会の重点活動の一つに、一人ぼっちをなくすためのたまり場づくりがあります。家族であれ他人であれ、人と人とのつながりを大事にするのが協同組合運動の基本だと思います。
新しい全国組織の価値を創り出す活動に力を入れていきたいと思います。
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