(第330回 4月23日 )
4月20日夜、香川県社保協(社会保障推進協議会)主催の「国保の改善をもとめるシンポジウム」が高松市内で開催されました。その内容を紹介します(4月21日付の香川民医連ニュースNo.212からの引用です。一部改変しました)。
「社会保障制度の負担が貧困者をふやしている」(高松市議)、「最後のセーフィティネットであるべき国保が困った人を助けず、とどめを刺している」(丸亀市議)など、深刻な事例がたくさん報告されました。
高松市の事例では、50代の母が乳がんになった。月15万円の収入だったが働けなくなった。30才前の息子は非正規労働者で月8万円の収入。国保料を55万円滞納し「資格証」に。ことし1月に母親は受診したが即入院。息子は高松市国保課に行って正規の保険証を発行して欲しいと訴えたが、市は滞納額の半額の「25万円を払わないと保険証は出せない」と。「特別の事情」にあたる、として市議のアドバイスで請願したが却下され、現在再審査請求中。
シンポジストから、これからの国保改善運動のたたかい方や目標として次のような事が提案されました。
・国保は「相互扶助」でなく「社会保障制度」なのだということを行政と市民と両方に徹底させる。
・国保料(税)がいかに高いものかという実態を明らかにする。
・国保法や市町の条例にもとづき減免や猶予の申請書を出す運動をする。失業者は減免できる。
・資格証をださせない運動をする。
・国保をめぐるヒドイ事例を集めて、記者会見して公表する。
・国保の運営に、住民参加の仕組みを作らせる。
高松市の国保・・・年間所得200万円未満世帯が約8割。滞納世帯の9割が年間200万円未満。・・・4人家族だと生活保護基準以下
2007年度 高松市 所得階層別の加入状況(構成比率)
所得(万) |
0 |
0〜100 |
100〜200 |
200〜300 |
300〜400 |
400〜500 |
500〜 |
合計 |
世帯数(%) |
38.8 |
20.8 |
19.1 |
10.7 |
4.3 |
2.2 |
4.0 |
100.0 |
滞納世帯(%) |
52.6 |
18.6 |
16.6 |
7.1 |
2.8 |
1.1 |
1.2 |
100.0 |
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