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香川医療生活協同組合

4月からの診療報酬改定を考える(その3)

(第325回 4月6日 )

 4月からの診療報酬改定について、第322回(3月26日付)の続きです。

 医療費を請求する時の書類、診療報酬明細書を「レセプト」と呼びます。医療費を計算するのに大半の医療機関はコンピュータを用いますが、その内容を紙に印刷した形でレセプトを提出します。それに対して、フロッピーディスクやMOディスクなどの電子媒体やISDN回線などを通じてデータを提出することを「電子請求」と呼びます。

 この電子請求を、小さな診療所に対しても一律に義務化することが問題となって来ましたが、常勤医がすべて65才以上であったり、レセプト請求に用いるコンピュータシステムのリース期間が長い場合や最近購入した場合(2009年11月26日以降)は免除されます。しかし、それ以外の大半の医療機関では、オンライン請求が義務化されます。

 遅くとも7月頃からは、医療費を支払う時に領収書と共に明細書が発行されるようになります。診療所では、再診料に1点(10円)加算されます。

 医療の内容を公開するという点では前進したという評価があるかもしれませんが、厚労省の義務付ける「明細書」をみても、大半の患者は「医療の内容や明細」が多分分からないではないかと思います。

 明細書には「再診料 69点」「外来管理加算 52点」「地域医療貢献加算 3点」「明細書発行体制加算 1点」などと書かれています。質問があれば答えなければいけません。医療従事者でも分かりにくい「用語」ですから、当然聞く側も分かりにくいと思います。

 地域医療に「貢献」しているとあるが、今日の診療のどこがそれにあたるのか具体的に知りたい。「明細書発行」は不要なので、請求額から10円引いてほしい(明細書を発行しない人も含め全員に請求します)。などと言われるとどう説明すればよいのか、窓口で当分混乱することを思うと頭が痛くなります。

 領収書と共に発行するので、窓口支払いのない(領収書が必要ない)生活保護、身体障害者や乳幼児医療や母子医療制度、被爆者医療制度などの対象者には発行する義務はありません。これも変な話です。

 しかし、これを機会にして、患者には「知る権利」がある、「学習権」を使って医療費の仕組みについても学習しようと、医療生協の患者の権利章典を広めていくチャンスになるかもしれません。

(この項、続く)

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