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香川医療生活協同組合

4月からの診療報酬改定を考える(その2)

(第322回 3月26日 )

 4月からの診療報酬改定について、医療費の総枠ではわずか100億円、0.03%の増と事実上据え置きに終わりました。民主党の政策に期待した、多くの医療関係者からは不満と再改定を求める声が上がっています。

 今回の改定で最も話題になったのは、「再診料」の問題です。初めて病院を受診した時に算定されるのが「初診料」で、病院・診療所ともに2700円(6才未満は3420円。以下カッコ内は6才未満)でしたが、今回の改定で変更はありません。

 1回目に受診した病気に続けて2回目以降に受診する場合が「再診料」で、これまで診療所は710円(1060円)で、200床未満の病院は600円(950円)でしたが、4月からは690円(1070円)に統一されます。診療所の立場から見ると、わずか20円であっても、基本料金、材料費のいらない医師の診療上の「技術料」ですから、この引下げに抵抗があったのは当然と言えます。

 この再診料引下げを補填する目的で設定されたのが、再診料に対する「地域医療貢献加算」(30円)です。これを算定すると、再診料のマイナスを取り返せる事になります。

 条件は、患者・家族からの電話問い合わせに対し、職員(医師や看護師に限らず事務職員でも可)が24時間365日対応する事です。留守番電話でも可能といいますが、速やかに返事が必要ですから、実際は携帯電話を職員の誰かが持っていないといけないことになります。

 そんなにかかって来ることはないのではという楽観的な意見もありますが、急病以外の用件でかかってくることはないのかと躊躇する医療機関もあります。しかし、1日再診患者が100人、診療日数が25日として、再診料の減を相殺すると、1ヵ月の収入増は(30-20)円×100人×25日=2万5千円です。休みでも携帯電話の対応が必要ですから、1日833円になります。24時間対応をする職員のことを考えると、「地域医療」に「貢献」した代償はこの程度なのかと思います。

 日本医師会のQ&Aには、「算定しなければ地域医療に貢献したとはみなされないのか」という質問がありましたが、現場からの意見としては「そうだよな」という気がします。

 注:精神・結核・療養病床以外の、一般病床が200床以上の病院は、取り扱いが異なります。

(この項、続く)

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