(第306回 1月29日 )
1/26付本欄(第304回)で、中医協(中央社会保険医療協議会)が「軽症でありながら救急病院を受診した患者からの特別料金徴収を検討」している事を問題にし、「特別料金のいらない、救急救命センター以外の医療機関の負担が増えたり、かえって様々な問題がおきる可能性が高い」と指摘しました。
27日に開催された中医協で、特別料金徴収について「新年度の診療報酬改定での導入見送りを決めた。委員間で合意が得られず、断念した」(「朝日」)と報じられています。常識的な判断に戻ったと思いますが、これで問題が解決した訳ではありません。
安易な受診と思える例があるのも事実ですが、少し知識があれば自宅で様子を見ることができたのにと思える例も多いと思います。
医療生協の患者の権利章典には、「知る権利」「学習権」「自己決定権」があります。救急時の判断には一定の知識が必要です。適切な受診行動を取る上で、学習し、知識をもって、自分で(あるいは家族で)判断する。子どもの発熱、腹痛など、よくある病気の知識を普及する活動、上手に医療機関を「利用」する方法など、「地域」での取り組みが重要だと思います。
医療生協さいたま生活協同組合は、「私たちの命と医師を守る宣言」を広める活動を行っています。
「私たちは、私たちの命と医師を守るために、以下を宣言します」として、以下の3点をよびかけています。
(1)私たちは、医師をふやすために行動します
(2)私たちは、安全で安心な医療を、医師と協力してつくります
(3)私たちは、医師が人間らしく働けるように、できることを考え行動します
この3番目の中味として、
*医師の過重労働の実情を理解し、多くの人に知らせます。
*適切な受診ができるように、ふだんから、賢い病院のかかり方を身につけます。
*ともに医療をつくるものとしてお互いを大切にし、ありがとうの気持ちを伝えます。
です。こういった考え方を地域で広める中で、問題を解決していくべきではないでしょうか。
以下のHPを参照下さい。
http://www.jhca.coop/patient_right/
http://www.mcp-saitama.or.jp/information/declaration.php
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