(第290回 11月27日 )
日本生協連・医療部会発行の、「虹のネットワーク」 2009 年12月号のコラム「社会派 しんさつ室 No.40」に掲載された文章を転載します。一部修正しています。
全国的にインフルエンザが流行し、教育現場では学級閉鎖や学年閉鎖など対応に追われています。
10月中旬から、医療従事者を対象に新型インフルエンザワクチンの接種が開始されました。開始時にマスコミ報道が大々的に行われましたが、その後の医療現場の実態が十分に報道されなかったため、医療機関の職員は全員いち早く接種されたような誤解が生じています。
しかし、現場はそうではありません。必要数として届け出た「医師数+看護師数」の75%分しか来ない県、51人以上の医療機関は20%という県、看護師は40%といった具合で、地方により対応は異なっています。
そのため、外来に出ることの少ない管理部門の師長は除く、手術室の看護師は除く、50才以上の看護師は除くなど、医療機関ごとに苦肉の策で対応しています。
11月に入り季節性インフルエンザの予防接種が始まり、多くの方が医療機関に殺到し、一日で800人が予防接種を受けたという話も聞きます。
しかし、ワクチンによる予防を行えば完璧という訳ではありません。ワクチンを接種してもインフルエンザにかかることはあります。また、ウイルスが突然変異を起こした場合、効果が弱くなることも予想されます。ウガイや手洗いの励行など、予防が大事です。
発熱してから半日程度たたないと、インフルエンザ検査が陽性になることは殆どありません。また、感染していても全員が陽性に出る訳ではありません。心臓病や呼吸器疾患などの基礎疾患がない場合は、少し様子をみてから受診するなど、適切な受診行動が重要です。
こういった知識を地域に広めて行く活動が重要です。いまこそ、医療生協ならではの活動が求められています。
|
|