(第288回 11月20日 )
主催者あいさつをする和田志津夫原告団長
11月17日夜、「リゾートソリューションアスベスト被害裁判 全面勝利解決祝賀会」が高松市内で開催されました。
この訴訟は、「1982年まで高松市屋島西町で操業していたエタニットパイプ(通称エタパイ)四国工場のアスベスト健康被害問題で、元社員や遺族らが、じん肺や中皮腫などの健康被害を受けたのは会社側が防塵対策を怠ったためだとして、後身企業のリゾートソリューションに対し、損害賠償を求める訴訟を」(2006/10/31付「飛来峰」12回)起こしたものです。
それ以来3年あまりの月日が立ち、2009年9月14日高松地裁は基本的に会社の責任を認め、会社が時効と主張した被害者を含め救済する判決を言い渡しました。一方家族曝露や一部の原告の主張を認めないなど不十分な側面も持っていました。
訴訟団はエタニットパイプ社の後継企業であるリゾートソリューション社の主要株主である三井不動産やコナミと話し合い、(1)家族曝露も含め原告全体に謝罪する、(2)原告全員に対し一括して和解金を支払うという画期的な合意を勝ち取りました。
訴訟面では不十分さが残りながらも、過去に例のない形で解決した事を指し、今回の集会を「全面勝利解決」と名付けました。
裁判の意義についてまとめの発言をする小野寺利孝弁護団長
この訴訟の中心的な役割を担った、建交労(全日本建設交運一般労働組合)の合田恒彬さんが司会を行い会が行われ、小野寺利孝弁護団長が「裁判闘争の成果とアスベスト被害救済運動での意義」と題して短時間のまとめを行いました。
「今回の判決は完全なものとはいえない。この教訓をまとめ他のアスベスト裁判に役立つようにしたい。真面目に働く労働者がいのちと健康をおかされたこと。これに対し、企業があやまった。こういった問題を二度とおこさないように社会にしめしていく必要がある。判決が出てから全ての原告に一括して和解金を支払わせるという勝利を勝ち取ったのは画期的だ。こういう問題を根絶するためにも引き続き運動を行っていこう」と呼びかけました。
(この項つづく)
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