協同組合 香川合同計算センター 速報に「社長の健康シリーズ」を連載しています。2009年8月号に掲載したものを編集しました。
(第271回 9月11日 )
ウイルス肝炎について(その3)で、肝がんの原因の80%がC型肝炎ウイルスによるものと述べました。C型肝炎ウイルスを体の中から取り除く事ができたら、肝臓がんの多くは予防することができることになります。
体の中のウイルスの増殖を抑える働きをもつのが、「インターフェロン」という薬物です。ところが、初期のインターフェロンは、体の中での寿命(半減期といいます)が短く毎日注射しないといけないため、仕事をしながら治療を行うことが困難で、また、副作用も多く治療を続けにくいという欠点がありました。
10年ほど前から、単独では効果がないが、インターフェロンと併用すると効果を示す「リバビリン」という薬剤が開発され、注射回数を減らし、より大きい効果が得られるようになりました。最近では、半減期が長い「ペグインターフェロン」が開発されたため、週1回の通院が可能になりました。
1992年〜2001年のインターフェロン単独の時代はウイルスの除去率は2%程度でしたが、2001年〜2006年のインターフェロン+リバビリンで20%に上がり、ペグインターフェロン+リバビリンでは60%にあがりました。ウイルスが体の中からいなくなれば、肝臓疾患の進行も防げるしガンの予防効果もあります。
血液障がいや全身のだるさなど副作用も多いため、「夢の治療」とはいえませんが、従来の治療に比べれば格段の進歩と言えます。
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