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新しい介護認定システムの問題点 (第258回 7月14日 )

 4月から改定された介護保険の認定システムについて、これまで、第219回(2月6日)、224回(2月24日)、244回(5月26日)で問題にして来ました。要介護者をより軽く認定するためのシステム変更である事は間違いありませんが、数字的に見てどうかということは情報が公開されていないためはっきりしません。

 医療生協の全国の会議報告では、余りに実態にあっていないため認定審査会が深夜までかかった、審査員が大変怒っている、といった話が全国にあるようです。

 一次判定で「自立」と判定される率は、香川県の場合、2003年が2.9%、2004年2.9%、2005年2.8%、2006年2.1%です。2007年は、申請があり一次判定が行われた49,776件中「自立」は951件で1.9%でした。地域別に見ると、善通寺市が含まれる中讃広域連合が8,130件中397件で4.9%と群を抜いて高いのを除けば、大体2%前後です(中讃広域だけが自立が多い理由には大変興味がありますが、不明です)。

 審査に詳しい人に実態を聞くと、ある審査会で「自立」が4分の1近くありこれまでと比べ異常に感じる、とのことです。これまで報告して来た認定調査員テキストの変更が背景にあるのは間違いありません。

 厚生労働省は、「検証・検討会」を設けて、きちんと検証を行うこととし、「検証・検討会」の結果が出るまでの間、更新前の要介護度とする希望があれば、更新前の要介護度と異なる結果になる場合でも、更新前の要介護度のままにすることが可能となる経過措置を行うこととしています。

 しかし、更新前の要介護度でサービス利用ができるとしても、「審査会では、新しいシステムでどう判定されたか」はわかりません。厚労省が「経過措置は終了しました」といった瞬間に、「自立と判定されたので施設をでてください」といったケースがでてくる可能性もあります。

 また、新規の申請に対しては、新規システムで判定されるため、その実態を調査する必要があります。現場での情報を集め、声をあげていく必要があります。


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