(第246回 6月2日 )
「ツールキット」導入説明会の様子です
5月17日(日)に東京都渋谷区のコーププラザで、日本生協連医療部会・「WHO高齢者にやさしい診療所」づくり小委員会主催の、「WHO高齢者にやさしい診療所ツールキット」パイロット導入説明会が行われました。
第236回(4月17日)で紹介したように、WHO(世界保健機関)は、高齢者人口の増加や出産率の低下は世界的な傾向であり、これからは先進国よりむしろ発展途上国の問題であると指摘、この問題を解決するための手立てとして、「高齢者にやさしい都市ガイド」と、この「ツールキット」を公表しました。
2009年2月に出版された「WHO版 高齢者にやさしい診療所ツールキット」の内容を日本に広めるために、まず全国の医療生協の12の診療所で来年3月まで実践して、問題点や成果を明らかにする取り組みが始まりました。
善通寺診療所もこの取り組みに参加し、活動を開始します。
最初は、「正常な老化とは」何か、という事です。高齢者のさまざまな訴えに対して「年だから」「老化現象」と答えることがあります。しかし、右膝が痛いという訴えに対して「老化現象」と答えてしまうと、「左膝も右膝と同じだけ年を取っているのだが」という反論に答えられなくなります。
特に5感の衰え、視覚、味覚、嗅覚、聴覚、触覚の衰えに対して、共感を覚えるためにも実体験が必要です。高齢者とのコミュニケーションの取り方も重要です。難聴だからといって、大きな声を出せばいいというものではありません。アナウンサーではありませんが「滑舌」がよくなければ、聞こえにくいのです。講演を頼まれることがよくあり、ICレコーダーに録音して後で聞くのですが、早口になると「滑舌」が悪くなるのが良く解ります(反省)。
今後、診療所でもワークショップを行いながら、実践を行っていきます。
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