(第236回 4月17日 )
WHO(世界保健機関)は、現在6億人の60歳以上人口が2025年に12億人、2050年には20億人に達し、うち10億人がアジアで暮らす高齢者であり、発展途上国では高齢化への対応が未発達であることから、世界的規模で高齢化に向けての準備が必要であるとしています。
2002年4月に「アクティブ・エイジング—その政策的枠組み」を発表し、世界的な高齢化の状況、高齢期政策の理念、医療・介護を含む高齢期政策の提言を行いました。2007年10月1日にWHOより公式発表された「高齢者にやさしい都市ガイド」は、22カ国33都市で行った高齢者・介護者に対するヒアリング調査に基づき「医療・交通・住宅・社会参加」など広範な分野について高齢者にやさしいまちづくりチェックポイントを示しました。
日本生協連医療部会は、創設50年記念事業として、上記2文書を「WHO『アクティブ・エイジング』の提唱」として翻訳・刊行しています。
今回、これらの概念を元にした「WHO版 高齢者にやさしい診療所ツールキット」が発表され、医療部会家庭医療学開発センターが翻訳・発刊しました。
このツールは、世界共通のもので、高齢化の程度や医療体制などが国によって異なることから日本でそのまま適応できるかどうかわかりません。全国で10ヶ所ほどのモニター診療所で実践「日本版ツールキット」を作成する予定です。
香川医療生協・善通寺診療所ではモニター診療所としてツールキットを活用する予定です。そこで、4月16日に学習会を行いました。「正常な老化とは」「高齢者とのコミュニケーション」を中心に、私が講演を行いました。
高齢化に伴う4つの大きな問題(geriatric giants)である、物忘れ、うつ、尿失禁、転倒を「10分間総合スクリーニング」で看護師などがあらかじめチェックし、問題点があれば医師がさらに詳しく調べていく、というものです。
同時に高齢者が利用しやすい施設、院内の掲示、とりわけ色や文字の大きさなども点検する必要があります。
取り組みが始まれば、報告したいと思います。
※以下のHPを参照下さい。
http://www.jhca.coop/topics/071030_01.html
http://www.jhca.coop/topics/2009/090218_01.html
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