(第229回 3月17日 )
ホーチミン市で行った医療生協セミナー、第3回です。
全国の医療生協組合員の活動を紹介する大峰さん
大峰さんの報告は、全国の医療生協の活動の紹介です。すべて実際の写真を使って医療生協の健康づくりの活動、町なみチェック、国際活動など幅広く紹介する内容で、参加者は興味津津という感じで見入っていました。
班会での血圧などの健康チェック、班会の様子、町なみチェック、豪雪の中の組合員訪問、支部の食事会、グループホーム作り、セラバンド、ウォーキング、フィットネス、筋肉トレーニングなど多彩な内容です。このスライドは、内容説明をベトナム語に翻訳したものをベトナム側にも渡しているため、セミナーに参加した人が地域でも利用しているようです。
三木町の組合員の植村さんの報告の大要を紹介します。
「生きている間は健康でいたい、死ぬまで元気でいたいというのがみんなの願いです。それを実現させようと活動しているのが医療生活協同組合です。地域での砦となるのが組合の病院であり、診療所です。その診療所を私達の町にも作りたいと願うのは当然でしょう。
具体的に何をしたかといえば、賛同してくれる組合員と建設資金になる出資金集めです。医療活動によって得た利益がなければ、健康を守る活動を続けたいという要求が満たされません。それを保障する条件として診療所を利用する人たちの圏内で2000名の組合員、出資金も建設資金1億円の内3500万円を集めようと目標を立てました。
植村さんは冒頭の挨拶部分をベトナム語で行い、拍手が起こりました
組合員を訪問し診療所を作るから協力して欲しい。出資金を出して欲しいことと、新しい組合員を紹介して欲しいと訴えて回りました。組合員を増やし、3名以上で班を作り、班会を開き血圧チェックなどをして常日頃の生活を見直す保健予防活動につなげていきました。今までになかった活動ですから新鮮味を持って受け止めてくれました。
診療所の玄関には大木の絵が掛かっています。これを「建設の樹」と呼んでいます。その葉っぱは焼き物を貼り付けています。それに5万円以上出資した人の名前が描いてあります。葉っぱを粘土からデザインして焼いたのも、キャンバスの木を描いたのも組合員でした。
組合員が増え、班ができるといろいろな要求が出てきます。その要求を取りまとめて保健大学という名のセミナーを開きました。医療制度のしくみや保険制度、安心して誰もが暮らせる社会のこと、戦争を起こさない政治のことなどバラエティーにとんでいます。
運動ですから停滞も困難もつきものです。壁にあたれば原点に戻り討議をします。なぜ診療所が必要なのか。そして意思統一をし、態勢を立て直して活動をしました。この点が運動を進める上で大事なことだと思います。
熱心に発表を聞く参加者たち
こうして完成したのがみき診療所です。だから愛おしくて大切に大事にしています」
※3月20日(金)は休日ですので休載。次回は3月24日です。 |