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派遣・期間従業員の首切り問題で大企業の社会的責任を考える
(第210回 12月26日 )


 「ホームレスに「名古屋行って」 周辺自治体、苦渋」というタイトルの記事が中日新聞12月5日付夕刊に掲載されました。

 「解雇で寮を追われ、ホームレスになった派遣社員の人たちが、愛知県内外の各自治体窓口へ相談に訪れた際、「名古屋市に行けばいい」と電車の切符を渡され、名古屋市へ転送されるケースが増えていることが分かった。ホームレス受け入れ施設があるのは愛知県内では名古屋市しかないため」だそうです。名古屋市は周辺自治体に抗議しているそうですが、問題の本質は自治体の対応にある訳ではありません。

 米国のサブプライムローン問題に始まる、世界に広がる金融不安は、外需だのみの日本経済にも大きな影響を及ぼしています。マスコミでは不安をあおる報道が目立ちますが、労働者を経営の調整弁として扱う企業のありようを問題にする事は少ないという印象を持ちます。

 一方、首切りにあった労働者が様々な形で抗議の声を上げています。

 静岡新聞は「外国人労働者デモ 雇用確保企業に訴え」という記事を掲載しました。「外国人労働者の雇用情勢が悪化していることを受けて、県西部の外国人ら約150人が21日、浜松市中区の市街地で雇用対策や住宅の確保を求めるデモ行進を行った。主催したJMIU(全日本金属情報機器労働組合)によると、金融危機に端を発した今回の景気後退で、外国人労働者がデモを実施するのは全国で初めて。浜松市など県内をはじめ東海四県に住むブラジル、ペルー人がプラカードや横断幕を掲げ、「雇用を守れ」「派遣切りをするな」などと訴えながら約2キロを歩いた」(12/22)と報じています。

 東京新聞は、「『トヨタ、クビ切るな』名古屋駅前デモ」という記事を掲載しています。「労働者の使い捨てはやめろ−。製造業の業績悪化で契約を打ち切られた労働者らが23日、愛知県の労働組合員らと一緒に、トヨタ自動車の名古屋オフィスが入る名古屋駅前のビル周辺をデモ行進し、雇用確保や生活の安定などを訴えた」そうです。

 23日に共同通信が、これまでと少しスタンスが異なる記事を配信したことに注目しました。

 「大手製造業、株主重視で人員削減 内部留保、空前の33兆円」と題する記事です。

 「大量の人員削減を進めるトヨタ自動車やキヤノンなど日本を代表する大手製造業16社で、利益から配当金などを引いた2008年9月末の内部留保合計額が、景気回復前の02年3月期末から倍増し空前の約33兆6000億円に達した」「08年度の純利益減少は必至の情勢だが配当水準を維持、増やす方針の企業が目立ち株主重視の姿勢も鮮明だ。派遣社員などで組織する労働組合は「労働者への還元が不十分なまま利益をため込んだ上、業績が不透明になった途端、安易に人減らしに頼っている」と批判している」と報じています。

 大企業の社会的責任が問われるとともに、国民の声が政治に反映し実現する2009年にしたいものだと思います。

 2008年の掲載は今号で終了です。2009年は、1月6日から再開します。それでは、よいお年をお迎え下さい。


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