(第206回 12月05日 )
日本医師会(日医)は12月3日、記者会見を行ない「医師確保のための実態調査」の暫定結果を報告しました。
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20081203_1.pdf
日医は、調査の目的として、「1982年、医師数の抑制が閣議決定された後、日本の医師数は先進諸国に比べて低い水準で推移してきた」「地域別、診療科別など、どこで医師不足が顕著であるかを把握しなければならない。そこで、医師不足・偏在が顕著な地域および診療分野を洗い出し、医師確保対策の優先度、重要度の決定に資するため、アンケート調査を行った」としています。
病院を対象としたアンケート調査では、5年前との比較で、診療科別の医師数の増減について、医師数が減少(大幅減少・減少・やや減少)した病院の割合は39.6%、増加したのは34.4%。診療科別で見ると、減少(いなくなった・大幅減少・減少・やや減少)したのは産科・産婦人科(39.9%)、内科(38.0%)でした。
医師数減少の病院比率が高い都道府県について、医師数が減少した(大幅減少・減少・やや減少)比率が高い都道府県は、三重県(63.6%)、鳥取県(62.5%)、山形県(60.9%)、和歌山県(60.9%)、栃木県(59.1%)であり、上位は都市圏にない都道府県でした。因みに、香川県は7番目で55.6%です。
医師不足を理由として起きた問題として、「外来の閉鎖・休止・縮小」が最多で487病院(18.3%)、「病棟閉鎖・病床縮小」が253病院(9.5%)で、「夜間等の救急対応休止」が189病院(7.1%)で起きています。こういった事態が夜間救急の「たらい回し」問題につながっていると思われます。
内科はもともと標榜する病院が多いこともあり「外来の閉鎖・休止・縮小」が多く、産科・産婦人科は「病棟閉鎖・病床縮小」、小児科は「夜間等の救急対応を休止」した病院が多いという結果がえられました。
小児科医療や産科分野での問題点がクローズアップされますが、実は内科も大きな問題点を抱えています。香川県内でも、地域の中核病院である公的病院で糖尿病を担当する医師が不足している、肝臓病を担当する医師がいないなど、内科医師がゼロになることはありませんが、綻びは少しずつでています。
こういった問題を「地域の医療をどう守るのか」という観点で問題を提起し、「地域の問題」として、地域住民と共に運動化することが重要だと思います
■お知らせ
医療・介護の「再生」めざす講演とシンポジウム
講演:「医療崩壊はこうすれば防げる!」本田宏・済生会栗橋病院副院長
時間:2009年1月18日(日)13:30〜16:30
場所:香川県社会福祉総合センター 1F コミュニティーホール
入場料は無料ですが、資料代500円が必要です
主催:香川県社会保障推進協議会
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